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第103回全国高校野球選手権

第103回全国高校野球選手権大会(8月10~29日)の特集サイトです。

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第90回選抜高校野球

東海大相模、猛打で8強 3継投で寄せ付けず /神奈川

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【東海大相模-静岡】四回表東海大相模1死一、二塁、渡辺の右前打で上杉龍平選手が生還=阪神甲子園球場で、猪飼健史撮影
【東海大相模-静岡】四回表東海大相模1死一、二塁、渡辺の右前打で上杉龍平選手が生還=阪神甲子園球場で、猪飼健史撮影

 <2018 第90回記念センバツ高校野球>

 第90回記念選抜高校野球大会第7日の29日、東海大相模は3回戦で静岡(静岡)を8-1で降し、8強入りを決めた。前半に渡辺健士郎(3年)の本塁打と適時打で流れを引き寄せると、終盤にも着実に加点。3投手の継投で静岡打線を寄せ付けなかった。準々決勝に進んだ東海大相模は4月1日、日本航空石川(石川)と明徳義塾(高知)の勝者と第1試合(午前8時半開始予定)で対戦する。【中村紬葵、加藤佑輔、木原真希】

 ▽3回戦

東海大相模

  020200031=8

  000010000=1

静岡

 大会直前にけがをした吉田元登(3年)に代わってメンバーに入り、「背番号3」を引き継いだ渡辺が、4打数3安打4打点の大活躍で、しっかりと役割を果たした。

 二回表、2死三塁。真ん中に入って来た甘い球を振り抜き、右翼ポールを直撃する2点本塁打を放った。甲子園初戦で完封し「省エネ投球」と話題を集めた静岡の春翔一朗投手(同)から、幸先良く先制した。

 吉田とはよく自主練習を一緒にする仲だった。「これは元登君にささげる本塁打。次は自分のために打ってほしい」。父博司さん(51)は興奮した様子で話した。父の期待の声が届いたのか。四回1死一、二塁で迎えた2打席目、高めの球をたたいて右翼前に適時打を放った。「つなぐ意識で低い打球を打ちたい」。試合前に話していた通りの有言実行で、相手エースを早々にマウンドから降ろした。

 この日、東海大相模の先発を託されたのは2年生の野口裕斗投手。序盤は大きく曲がるカーブを武器に安定した投球を見せたが、五回に突如、制球が定まらなくなる。「失点したくない欲が出てしまった」。安打で走者を出した後、2死からの三連続四球の押し出しで1点を失った。

 「さみしいけど、野球をしているのはかっこいい。裕斗、がんばれ!」。弟の拓真さん(9)は、寮生活で離れて暮らす兄にスタンドから声援を送る。野口が満塁のピンチを1失点で切り抜けると、母純子さん(45)は「ドキドキしました」と詰めていた息を吐き出した。「先輩たちが守ってくれるから自信をもって投げて」。息子の晴れ舞台を緊張した面持ちで見守った。

 東海大相模は五回からは3イニング連続で得点圏に走者を進めながら追加点を奪えず、流れに乗りきれない。そして迎えた八回。敵失で出塁した5番・梶山燿平(3年)がこの日2個目の盗塁を決め、犠打で進塁し1死三塁に。またも好機で打席に立った渡辺が痛烈なライナー性の打球を右翼に飛ばし、犠飛で待望の追加点を挙げた。

 スタンドで声援を送る部員の小笠原雄介さん(2年)は、「チャンスをしっかりものにしてほしいと思っていた」と笑みをこぼした。打線は波に乗り、不調に苦しんでいた9番・佐藤暖起(3年)の適時二塁打を含む3連続安打でさらに2点を挙げて突き放し、今大会一番乗りで8強入りを決めた。

「成長し友と対戦」誓う 野口裕斗投手(2年)

野口裕斗投手 拡大
野口裕斗投手

 4点をリードした五回裏。2死二塁から連続四球で満塁とし、昨秋打率5割を残した静岡の1番・村松開人(3年)を打席に迎えた。5球目に投じた直球は低めに大きく外れ、またも四球に。押し出しで失点すると、帽子をとり、頬を膨らませながら息を吐き出した。

 小学生まではソフトボールで捕手をしていた。この日の第2試合で先発した日大三の井上広輝投手(2年)と当時バッテリーを組んでいた。「受けるのが怖いくらいに球が速かった」。自分も中学から投手をするようになり、昨年末、久々に帰った地元で一緒に散歩しながら、「センバツのマウンドで投げ合いたいね」と話した。

 しかし井上投手は3失点で途中降板し、チームも敗退した。言葉を交わすことはできなかったが、「あいつの分までがんばりたい」。試合開始直前に先発を告げられると、そう気持ちを固めた。

 「一度うまくいかないことがあると、マイナスに考えてしまう」のが課題だった。だがこの日は違った。押し出しで1点を失い、なお2死満塁のピンチ。「チームが勝つこと」に集中し、気持ちを引き締め直した。続く打者を三ゴロに抑え、七回途中で降板するまで最少失点で踏ん張った。

 ただ満足はしていない。「最後まで投げきれなかったのは、まだまだ。夏にはもっと成長して、井上投手と投げ合いたい」【中村紬葵】

応援曲を演奏する東海大相模の吹奏楽部員ら 拡大
応援曲を演奏する東海大相模の吹奏楽部員ら

演奏で選手後押し

 ○…一塁側アルプス席では、吹奏楽部約80人が応援を盛り上げた。センバツに向け、午前8時から午後6時まで練習を重ねた。この日初披露された「ハワイ・ファイブ・オー」や得点時のオリジナル応援曲「喜びの歌」など21曲を準備し、試合に臨んだ。初めて指揮を担当した小川野乃花さん(3年)は「緊張していたが、他の部員の力も借りてまとまりのある演奏になった」と笑顔を見せ、「選手のプレーを後押しするような力強い音楽を届けたい」と話した。

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