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第103回全国高校野球選手権

第103回全国高校野球選手権大会(8月10~29日)の特集サイトです。

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第90回選抜高校野球

2回戦 やまぬ星稜コンバット 初戦快勝 声からし太鼓破る /石川

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整列し校歌を歌う星稜の選手たち=阪神甲子園球場で、渡部直樹撮影
整列し校歌を歌う星稜の選手たち=阪神甲子園球場で、渡部直樹撮影

 <センバツ2018>

 第90回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高野連主催)第7日の29日、13年ぶり12回目出場の星稜は初出場の富島(宮崎)との初戦に臨んだ。初回に先取点を挙げると、三回には打者11人の猛攻で7得点。三回途中から登板した奥川恭伸投手(2年)も無失点と奮闘し、11-2で快勝した。3回戦は大会第9日の31日第4試合(午後4時開始予定)で、近江(滋賀)と対戦する。【日向梓、川崎健】

 ▽2回戦

富島

  002000000=2

  10720001×=11

星稜

 午前9時。一塁側アルプス席には、深夜に金沢を出発した学校関係者や保護者ら約900人が応援に駆けつけた。先発投手は昨秋のけが以来、戦線から離れていた竹谷理央主将(3年)。父スティーブンさん(50)は「いつもの冷静なピッチングを。頑張ってほしい」。先制を許しかけた場面もあったが、好守に助けられ一回表を無失点で切り抜けた。

一回裏、1点先取に沸くアルプス席の星稜の野球部員ら=阪神甲子園球場で、日向梓撮影 拡大
一回裏、1点先取に沸くアルプス席の星稜の野球部員ら=阪神甲子園球場で、日向梓撮影

 その裏、先頭打者・南保良太郎選手(3年)が初球を右前に運んで二塁へ。河井陽紀選手(同)の内野安打で1点を先取し、アルプス席には得点時に演奏される伝統の「星稜コンバット」が高らかに響いた。河井選手の父悟さん(50)は「良い当たりだった。誇りに思います」と満面の笑みを浮かべた。

 しかし三回、竹谷主将の投球が乱れ始めた。先頭打者に四球を与え、連続適時打で2点を返され降板。救援の奥川投手が後続2人を三振で打ち取ると、アルプス席の野球部員から「いいぞ」「恭伸」の声が飛んだ。

 奥川投手の踏ん張りに応えるように、三回裏は打線が奮起した。無死一、二塁で打席に立った竹谷主将は「投手として取られた分は打撃で取り返す」。右前適時打で1点を返すと、その後も鯰田啓介選手(3年)、山瀬慎之助捕手(2年)、南保選手の3長短打などで一挙に7得点し、試合の主導権を握った。

 アルプス席には、奥川投手と山瀬捕手が卒業したかほく市立宇ノ気中の野球部員ら14人も応援に駆けつけ、主将の塩谷由槻捕手(3年)は「最後まで攻めの姿勢を見せて」と声をからした。

 その後、四回に山瀬捕手の2点適時打、八回には河井選手の左前適時打で、計3点を追加。吹奏楽部の応援にも熱が入り、太鼓が破れるアクシデントも。吹奏楽部顧問の下村健治教諭(40)は「11回も『星稜コンバット』を演奏できて感無量です」と額の汗をぬぐった。

 四回以降は失点を許さず、試合終了。グラウンドのナインとアルプス席の野球部員が一礼すると、OBや保護者らから「ありがとう」と温かい拍手が送られた。

旧友の球で戻った呼吸 山瀬慎之助捕手(2年)

マウンドに駆け寄る星稜の山瀬慎之助捕手(右)=阪神甲子園球場で、久保玲撮影 拡大
マウンドに駆け寄る星稜の山瀬慎之助捕手(右)=阪神甲子園球場で、久保玲撮影

 対戦した富島は昨秋の公式戦9試合で16盗塁と機動力が持ち味。「盗塁は絶対させない。自分が全部刺して投手を援護する」。そう決意して臨んだものの、憧れの甲子園でミットを構えると「緊張して、冷静になれなかった」。三回2死一塁の場面で盗塁を許した。「もうちょっと落ち着いて投げていれば」。約1万5000人が詰めかけた大舞台の、独特の雰囲気にのまれていた。

 かほく市立宇ノ気中野球部出身。小学校からバッテリーを組む奥川恭伸投手と、中学3年時には全国制覇した。「高校でも2人で全国制覇しよう」と星稜野球部へ。強肩を買われ、昨秋から背番号2をつけた。今冬は「打てる捕手」を目指し、「強化指定選手」(林和成監督)としてウエートトレーニングや打撃フォーム改善に取り組んできた。

 この日、普段の呼吸に戻してくれたのは「よく知っている」奥川投手の球。調子を気遣ううちに、肩の力が抜けていた。打撃では4打数2安打3打点。「2打席目は、ボール球だったので本当は手を出しちゃいけなかった」と笑うが、外野を抜ける当たりになったのは「冬の成果」と手応えもあった。「甲子園の雰囲気はつかんだので、次は自分の仕事をする」と次戦を見据えた。【日向梓】

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