特集

第103回全国高校野球選手権

第103回全国高校野球選手権大会(8月10~29日)の特集サイトです。

特集一覧

真剣味

センバツ 三重、日大三に完勝(その1) 8強かけ乙訓と対戦 /三重

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
【日大三-三重】完封勝利を飾った三重の定本拓真投手=阪神甲子園球場で、長谷川直亮撮影 拡大
【日大三-三重】完封勝利を飾った三重の定本拓真投手=阪神甲子園球場で、長谷川直亮撮影
【日大三-三重】六回裏三重1死二塁、浦口の三塁打で生還する井上裕斗選手=阪神甲子園球場で、渡部直樹撮影 拡大
【日大三-三重】六回裏三重1死二塁、浦口の三塁打で生還する井上裕斗選手=阪神甲子園球場で、渡部直樹撮影

 <第90回記念選抜高校野球>

 第90回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第7日の29日、4年ぶり13回目出場の三重は2回戦で、2年連続20回目出場の日大三(東京)に8-0で完勝した。3打点の浦口輝(ひかる)右翼手(3年)ら打線は13安打を放ち、先発の定本拓真主将(同)は完封勝利を挙げた。県勢のセンバツ勝利は第84回大会で三重が初戦突破して以来6年ぶり。三重は第9日第3試合(31日午後1時半開始予定)の3回戦で、乙訓(おとくに)(京都)と8強進出を懸けて戦う。【森田采花、李舜】

日大三

  000000000=0

  00000350×=8

三重

 青空が広がり、春の陽気を感じる中、三塁側アルプス席は真っ赤なジャンパーやタオルなどを身につけた約2300人の応援であふれた。36校中最後の登場を待ちわびていたかのように開始早々から大きな声援が飛んだ。

 春夏優勝3回の強打日大三相手に、先発の定本主将は「初回は無失点」との小島紳監督との約束を果たし、チームを落ち着かせた。母洋子さん(50)は「立ち上がりは心配だったが何とか抑えてくれた。ひとまず安心」と胸をなでおろした。

 互いに走者を出しながら得点できない、もどかしい展開が続いた。二回は二盗を2度阻止され、三回と五回に定本主将が併殺に仕留められるなど暗雲が漂った。

 だが堅守で流れを取り戻した。昨秋の公式戦では出番がなかったが成長を評価されてメンバー入りした小川尚人一塁手(2年)が四回、ライン際のライナーを好捕。その回は東亮汰捕手(3年)も強肩で二盗を阻止。その東捕手が六回も二盗を阻止して日大三の好機の芽をつむと、勢いづいた。

 その裏、1死二塁から浦口右翼手が内角の直球を振り抜き、均衡を破る先制の三塁打を放った。母里香さん(50)は「ここぞというときに大きなヒットを打ってくれた」と笑みが広がった。曲孝史朗二塁手(3年)が左中間への適時二塁打で続くなど、この回3点を先取した。

 七回は、この日3安打目の小川一塁手から5連続安打と暴投で5点を加えた。小川一塁手の父真治さん(48)は「いつも通りのバッティングをしてくれた。小学生以来の一塁手も好守備でうれしい」と活躍を喜んだ。

 打線の援護を受け、昨秋は調子を崩していた定本主将は長打を一本も許さぬまま完封勝利。県勢6年ぶりのセンバツ勝利に沸く中、定本主将の父博史さん(47)は「よくやった。次戦もがんばってほしい」とエールを送っていた。

 ■熱球譜

完璧、勝利への一打 3年・浦口輝右翼手

 両チーム無得点のまま迎えた六回1死二塁。「内角が来る」と狙いを定め、振り抜いた打球は右中間を抜けた。先制の適時三塁打となり、チームを勢いづけた。「完璧だった。勝利への一打をチームにささげられた」と普段はしない小さなガッツポーズを作った。

 昨秋の公式戦全9試合出場した選手の中で最高の打率3割2分4厘を残した好打者だ。地元松阪市のソフトボールチームで小5の時から全日本大会の大舞台を踏んでおり、俊足を生かして揺さぶりをかけるのも得意だ。小島紳監督に「浦口の足はチームの勝利を左右する」とまで言わしめる。

 だが大会7日目となっての初戦とあり、緊張の中、慣れないホテル暮らしで疲労もたまっていた。この間、打撃練習では「打球に力が伝わっていない」と首をかしげる場面もあった。それでも日大三のプレーを収めた映像をチームで見ながら研究を重ね、地道に素振りを繰り返して大一番に備えた。

 日大三先発の井上広輝投手(2年)の前に最初の2打席はフライを打ち上げた。だが五回終了後、チームで円陣を組んだ。「次は必ず打てる。まっすぐを狙っていけ」と小島監督から背中を押されると、六回、その球威が落ち始めた直球を捉えた。いったんリズムを取り戻すと、後は本来の動き。七回には貴重な追加点となる2点適時打を左前へ運び、自慢の足で盗塁も決めた。

 「夢舞台は始まったばかり。粘り強くつなぐ野球で次も強打を見せてやります」。笑顔でもう一度小さくガッツポーズした。【森田采花】

〔三重版〕

次に読みたい

あわせて読みたい