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第103回全国高校野球選手権

第103回全国高校野球選手権大会(8月10~29日)の特集サイトです。

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第90回選抜高校野球

富島、魅せた粘り 星稜相手に一時は逆転 課題も見えた /宮崎

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【富島-星稜】初戦で敗れ、ベンチ前に整列する富島の選手たち
【富島-星稜】初戦で敗れ、ベンチ前に整列する富島の選手たち

 <センバツ甲子園>

 第90回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)で29日、初出場の富島は星稜(石川)と対戦し、2-11で敗退した。後半まで三塁打を含む長打を放ち、持ち味の粘り強さを発揮したが、相手打線を抑えきれなかった。懸命に戦う姿を見せたナインにアルプススタンドの大観衆から温かい拍手が送られた。【田崎春菜、木村敦彦】

 ▽2回戦

富島

  002000000=2

  10720001×=11

星稜

 強豪の猛攻の前に最後まで諦めない姿勢を貫いた富島ナイン。

 一回2死、川添大空選手(3年)が四球で出塁すると、井本健太選手(同)が右前打を放ち、好機を逃さず、川添選手がチーム1の俊足を生かし、一塁を蹴って本塁へ走るものの刺殺された。攻めたプレーにスタンドからは「いいぞ」と声援が送られた。

 同回裏、先制されるが三回、好機は巡ってくる。窪田晃誠選手(3年)が四球で出塁すると、松浦佑星選手(2年)が三塁打を放ち、1点が返る。さらに中川大輝主将(3年)が「つなげるぞ」と打ったという打球は右前勝ち越し打になった。大観衆が声をそろえて喜び、三塁側アルプススタンドはお祭り騒ぎのよう。

 しかし、この裏、相手打線の反撃に合う。連続四球や打者11人の猛攻に悪送球などが絡み、7点を失った。中川主将は「球場の雰囲気にのみこまれた」と話し、エースの黒木将胤投手(3年)は「制球力に欠け、球が高めに浮いてしまった」と振り返る。

 その後、長短打を放ち好機を作る粘りを見せるものの、あと1本が出ず八回までに3点をダメ押しされ試合終了。スタンドでエールを送った保護者会の窪田英樹会長は「残念だったがよく頑張った。課題も見え、まだまだこれからだと思う。夏に向け、再出発してくれれば」と話した。

頑張った 夏に戻ってきて

後輩の活躍に涙

 ○…会社員で富島野球部の元主将の東知生さん(21)は地元・日向市から応援に駆け付けた。主将当時は部員が5人で部存続の危機を乗り越えてきた。チームが甲子園に出発する前、緊張せずプレーしてこいと声をかけた。「こんな大舞台で堂々とプレーしていて誇らしい」。試合後、「よく頑張った。甲子園に富島の名を残してくれたことに感謝したい。夏にまた戻ってきてくれることを信じている」と目を潤ませた。

学校で70人声援

 ○…日向市の県立富島高では、体育館に職員や生徒ら約70人が集まり、大型スクリーンに映し出される試合中継を見守った。三回表に逆転すると会場は大きな拍手が起き、喜びに沸いたが、それもつかの間、その裏大量7点を奪われた。何度か出塁はするものの得点に結びつかず敗れた。観戦した国際経済科新3年の山下愛未(あいみ)さん(17)は「負けたのは残念だけど、これをバネに夏に向かって」とエールを送った。


 ■青春譜

「諦めない野球」体現 中川大輝主将=3年

一回、打席に立つ中川主将 拡大
一回、打席に立つ中川主将

 三回表に勝ち越し打を放ち「逆転の富島」を見せた。大切なのは「いつか逆転できる」という気持ちの切り替えだ。昨秋の九州地区大会県予選の小林戦でも、5-7でリードされた九回に4点を加点し、逆転勝ちするなどリードされることに恐怖はなかった。

 3月上旬、センバツまで残り約20日、紅白戦で秋の大会のレギュラーチームが負けた。プレー中の声かけなどを怠り「逆転するという気持ちが感じられなかった」。2月下旬腰を痛め、約2週間練習から外れた。チームから一歩引いて仲間を観察し気付いた。試合中の声かけが足りないと、復帰後は積極的に仲間を鼓舞するように。

 しかし、三回裏、相手の集中打を抑えきれず、7失点。同回終了後、「自分たちの野球を楽しんでいこう」と積極的に仲間に声をかけた。結果は敗退したが、しぶとくチームで8本の長短打を放ち、諦めない野球を体現した。

 「甲子園出場という夢はかなったが、逆転勝ちできず悔しい。夏には自分たちの野球をできるようにしたい」。目を赤くしながら、球場を後にした。【田崎春菜】

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