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第103回全国高校野球選手権

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伯父と一緒の挑戦続く 富島・川添

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守備につく富島の川添大空選手=阪神甲子園球場で2018年3月29日、幾島健太郎撮影 拡大
守備につく富島の川添大空選手=阪神甲子園球場で2018年3月29日、幾島健太郎撮影

 センバツ第7日の29日、初戦に臨んだ富島(宮崎)の川添大空(かわそえ・そら)選手(3年)は、チームを率いる浜田登監督(50)を伯父に持つ。監督が甲子園で指揮した試合を見て野球を始め、背中を追いかけるようにチームに加入。「一緒に甲子園」の夢はかなえた。この日は星稜(石川)に敗れたが、夏の甲子園で勝利する目標に向けて、伯父と一緒に挑戦を続ける。

 アルプス席の歓声や吹奏楽の音色。部員も保護者も一つになって応援していた。2008年夏の甲子園2回戦。浜田監督率いる宮崎商と鹿児島実との対戦を、当時小学2年生の川添選手は家族で観戦した。宮崎商は敗退したものの、延長十二回まで続いた熱戦にスタンドのボルテージは高まり、「面白そうだ」と心が動かされた。翌年からグラブをつけてグラウンドを駆け回る日々が始まった。

 「心の成長がなければ、技術の成長はない」が浜田監督の信念。川添選手は毎年の親類の集まりで、監督から甲子園での経験や野球の技術論のほか、人間としての在り方も諭された。「この人のもとで野球がしたい」。13年、浜田監督が富島に異動してチームが徐々に強化され、3年後の春、後を追って川添選手も加入した。

 入部後は「おじちゃん」が「浜田先生」に。浜田監督は「親戚だからこそ厳しく接することもあった」と語り、他の選手より実力が上だと明確になった時点で、ようやく川添選手を先発メンバーに選んだ。今では、チーム一の俊足を生かした中堅手として定着した。

 初戦の初回、川添選手は四球を選び、後続の右前打で一気に本塁を狙った。「結果的にアウトだったが、気持ちが強いからできる攻めの走塁」。めったにおいをほめない浜田監督も賛辞を惜しまなかった。

 だが、川添選手はその後出塁できず、チームも大差を付けられた。「足を生かす出塁ができなかった」。試合後、うつむいて試合を振り返ったが、「何が何でもここに帰ってきて今度は勝ちたい」と、少ない言葉の中に確かな決意がみなぎっていた。【田崎春菜、木村敦彦】

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