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余録

世は何事もスピードが重要だ…

 世は何事もスピードが重要だ。きのう開幕したプロ野球は今季から敬遠四球の申告制が導入された。守備側の監督が球審に敬遠の意思を伝えれば、投手は投球せずに打者を歩かせることができる。試合時間の短縮が狙いだ▲過去にあったような敬遠をめぐるドラマは多分見られなくなるだろう。巨人のクロマティ選手や阪神の新庄剛志(しんじょう・つよし)選手は敬遠球を強引に打ってサヨナラヒットを記録した。長嶋茂雄さんは敬遠に抗議してバットを持たずに打席に立った▲その長嶋さんなら「申告敬遠」をどう感じるだろう。試合時間にはこんな思いがあるようだ。「試合のテンポが良ければいいのではなかろうか。観客に時間を忘れさせるテンポのいい長時間試合だってあるはずだ」(著書「野球へのラブレター」)▲野球とは「間」のスポーツだといわれる。選手が絶えず動くサッカーとは違う。長嶋さんは言う。「一瞬の油断なく、間を打ち破るスピードプレーに備える。すべての選手が常にスピードを意識する。そうすれば、試合時間短縮などというプロレベルでは平凡すぎてイラ立つ目標が出てくるはずがない」▲ところで今の国会も森友問題の真相解明にスピード感が足りない。野党はさらなる証人喚問を求めているが、自民党は早くゲームセットにしたい。このままでは何のドラマも生まれない凡戦が続く▲長嶋さんも書いている。ファンはいつでも「最良の先生」だ。国会もプロ野球も、展開の是非は結局、国民や観客の厳しい目が決める。

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