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社説

外交官大量追放の応酬 不信の根はロシアにある

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 冷戦時代にもなかった、過去最大規模の外交官追放の応酬である。

     米国がロシア外交官60人の追放を決め、対抗措置としてロシアも同数の米外交官を追放すると発表した。他にも欧州を中心に20カ国以上が露外交官の追放を決めており、計150人を超える。ロシアは米以外にも相応の対抗措置を予告している。

     報復の連鎖にどこかで歯止めをかけなければならない。

     きっかけは、英国でロシア軍情報部門の元幹部と娘が意識不明の重体で発見された事件だ。英政府は、猛毒の神経剤を使ったロシアによる犯行の可能性が高いとして、報復で露外交官23人を追放した。

     さらに他国にも同調を呼びかけ、米国のほかフランス、ドイツなど大半の欧州連合(EU)加盟国、カナダ、豪州などがこれに応じた。

     いずれも追放対象は外交官を装った露情報部門の要員だとしている。トランプ米大統領はメイ英首相との電話協議で、露スパイ網の壊滅を目指すことを確認したという。

     英国のEU離脱やトランプ米政権が仕掛けた通商戦などで、米英欧の関係がぎくしゃくしていただけに、対露で結束を示した意味は大きい。

     事件への関与を否定するロシアは米英が主導する根拠のない反露キャンペーンだと主張している。

     しかし、各国が英国に同調したのは、英政府が信頼できる情報を提供したからこそだとされる。またフランスやドイツは、ロシアがサイバー攻撃や偽情報の拡散によって選挙に介入し、国内の対立を画策していると非難してきた。

     こうしたいら立ちが蓄積し、今回の米欧の連帯行動につながったことをロシアはきちんと受け止める必要がある。自己正当化に固執してむやみに対立をあおるべきではない。

     日本政府は「事実関係の解明が優先だ」として当面は米欧の対露非難には同調しない方針だ。北東アジアの不安定な安全保障環境や、ロシアとの北方領土問題を考えれば、対露関係を慎重に進めざるをえないということだろう。

     だが米欧とロシアの対立が続けば日本も立場を明確にするよう迫られる。5月に訪露する安倍晋三首相はプーチン大統領に日本の懸念をしっかりと伝えるべきだ。

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