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ベンチャー企業

「にしなかバレー」熱視線 交通の便良く

にしなかバレーの共有オフィスを使うベンチャー企業の経営者ら。互いに刺激し合いながら事業の飛躍を夢見ている=大阪市淀川区で2018年2月13日、土屋渓撮影

 米国のシリコンバレーにあやかり、大阪市の中心部・梅田と新大阪駅の間にある西中島や中津の辺りが、ベンチャー企業の拠点が多い「にしなかバレー」として注目を集めている。交通の便が良い割には賃料が比較的安く、ITや保育といった多様な業種の起業家たちが事業を全国や世界にも広げようと切磋琢磨(せっさたくま)している。

     「利用料が安く、交通の便が良い。他の起業家と交流できるのもありがたい」。吹奏楽の演奏を動画配信するサービスを営む「ブラスタブ」を2017年に設立した北條明宏さん(38)は、にしなかバレーの魅力を語る。拠点としている共有オフィス「西中藩」(大阪市淀川区)は、地下鉄西中島南方駅近くの雑居ビルにある。

     利用料は年5万円。他の起業家と一緒に使う大きな机や打ち合わせ室があり、インターネット環境も用意。この場所を本社として法人登記できる。提供しているのは、16年に発足したベンチャー支援組織「にしなかバレー」。西中島と中津の頭文字を取り、ベンチャー企業が育つ米シリコンバレーや東京・渋谷のビットバレーの関西版を目指す意欲を込めた。

     設立したのは、自らも就職支援会社「アイプラグ」を経営する中野智哉さん(39)。それ以前は関西に起業家同士を結ぶ組織がなかったため、人材探しや資金調達に苦労することが多かった。にしなかバレーでは会合や催しを通して、共同事業者や投資家らと知り合ったり、成功者から経営を学んだりする機会を広げている。発足時は19社だった会員は33社に増え、従業員が100人を超えた企業も複数あるという。

     それでも資金や情報が豊富な東京に人材が集まり、ベンチャー企業についても関西と東京の差は広がる。株式を新規上場した企業数では、国内で17年に上場した96社のうち、62社の本社は東京で、関西は9社のみ。にしなかバレーから上場企業は誕生しておらず、中野さんは「互いに刺激し合って実績を積み上げ、ここをベンチャーの聖地にしたい」と夢を語る。

     関西では他にも、大阪市が創設した大阪イノベーションハブや、産学連携のファンドなどがベンチャー企業支援に取り組んでいる。【土屋渓】

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