選抜高校野球
また仲間と野球を がん闘病の乙訓・青池
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センバツ第9日の31日、3回戦に臨む乙訓(おとくに)(京都)の試合を特別な思いでみつめる野球部員がいる。病気と闘い続ける青池勇飛(ゆうひ)さん(3年)だ。2月下旬に医師から告げられた病名は血液のがん「悪性リンパ腫」。苦しい抗がん剤治療を続け、「仲間と一緒にいたい」と願う。再びグラウンドに立つことを目指しながら声援を送り続ける。
小学2年から野球を始め、中学では硬式野球チーム「京都ライオンズ」で投手として活躍した。乙訓ではスライダーやカーブなど多彩な変化球で打ち取るスタイルで頭角を現し、昨夏は、この日に対戦する三重との練習試合に先発したこともあった。
異変が起きたのはその試合の後だった。腰を痛め、リハビリを続けて復帰したのもつかの間、年明けから微熱が続き、呼吸がしづらい状態が続いた。
「命にかかわる病気かもしれない」。医師からそう言われたのは、1月のセンバツ出場決定を仲間と喜び合った翌日だった。
精密検査が続いた。学校も休みがちになった。「どうしたの?」。仲間から聞かれたが、病状は市川靖久監督(35)や中川健太郎主将(3年)にしか言えなかった。そして2月下旬、悪性リンパ腫と告げられた。「もう高校で野球はできないのかな……」。目の前が暗くなった。
今月上旬、抗がん剤治療で入院する前、同期の部員に病状を報告した。「また一緒に野球をしよう。今は治療に専念しろ」と声を掛けてくれた市川監督や、「頑張って治せよ」と励ましてくれた仲間たちの声を受け、気持ちが切り替わった。「せめて甲子園の応援に駆けつけたい」。目標もできた。
副作用は苦しかった。激しい吐き気に襲われ、髪の毛も抜け落ちたが、「夢舞台を共有したい」との思いで耐え抜き、16日に一時退院した。
28日の初戦は久々にユニホームに袖を通してアルプスでメガホンを打ち鳴らし、声をからした。「また野球をしたい」。その気持ちはさらに高まった。「今の自分の役割は病気を治すこと」。それがチームの目指す「全員野球」になると信じている。【礒野健一】
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