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IT

視線でプレゼン ALS患者が開発、無料公開へ

ハーティープレゼンターの実演動画から

クラウドファンディングで資金調達

 筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者のIT技術者が、身体障害者向けの講演システム「Hearty Presenter(ハーティープレゼンター)」を開発した。画面に表示された文字を見つめてその文字を入力する「視線入力」だけで、マイクロソフトのプレゼンソフト「パワーポイント」を操作してスライドをめくり、音声合成による文章の読み上げもできる。日本語、英語、中国語など多言語に対応した完成版を、インターネットで全世界に無料公開する予定だ。

    ハーティープレゼンター開発資金を募るレディフォーの画面

     ALSは、病状の進行により、手足の動作はもちろん、発声や食事も困難になっていく病気で、現代医学でも治療法や原因が解明されておらず、国が難病に指定している。最終的に呼吸もできなくなることが多く、その場合は人工呼吸器をつけないと死に至る。

     ハーティープレゼンターの開発者で、ITエンジニアの高野元さん(53)も2013年にALSを発症した。24時間の介助が必要な最重度の障害者だが、「日本ALS協会」の神奈川県支部の活動に参加し、他のALS患者とその家族、医療関係者とのつながりを増やす活動を続けている。ハーティープレゼンターの試作版を使った講演も今年2月から3月にかけ、延べ約150ページのスライドを使ったものを3回行い、成功させることができたという。

     システム開発の資金を調達するため、ネットで不特定多数から資金を募るクラウドファンディング(CF)を始めたところ、4日間で第1目標金額(70万円)を達成した。3月30日現在で約153万円集まっており、4月27日までに最終目標額の200万円を目指している。

     このソフトの開発には、視線操作ソフト「Hearty Ladder(ハーティーラダー)」を開発した吉村隆樹さん、分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」を開発したオリィ研究所所長の吉藤健太朗さんなど、障害者向けテクノロジー業界の第一人者らが協力している。CFは「readyfor(レディーフォー)」を利用しており、そのCFページの制作や運用代行は、SpikyWave(スパイキーウェーブ、東京都港区)が全面協力している。

     「体が不自由になっても、自分の思いを社会に表現し、社会とのつながりを失いたくない」との意図から開発を行った高野さん。「世界中の重度障害者に、このシステムを使ってもらい、ぜひコミュニケーション能力を拡張してほしい」としている。【高橋望】

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