メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

フォトスクランブル

音更の小さな鉄道博物館・十勝晴駅 終着駅のない路線 1万点超の収集品 愛好家と新たな出会い /北海道

「ふるさと銀河線」のNゲージ模型を見つめる穂積さん。ジオラマには「撮り鉄」たちがカメラを構えていた=北海道音更町で2018年3月18日、梅村直承撮影

 JR帯広駅からバスで約20分。音更町の住宅街の中に突然現れるのが「十勝晴(ばれ)駅」と書かれた平屋の「駅舎」だ。玄関を開けると、古い木製の扉から駅長の格好をした男性が姿を現した。「このドアは根室本線を走っていた鈍行『からまつ』のドアなんですよ」と、穂積規(ただし)さん(57)がにっこり笑った。

     2014年2月、自宅敷地内にあった10坪の建物を改築し、「小さな鉄道博物館・十勝晴駅」を開設した。本職の建築設計士の知識を生かし、強度を高めた博物館には、40年以上かけて集めた1万点超の鉄道コレクションが並ぶ。

     鉄道のすべての分野を愛する穂積さん。鉄道に初めて引かれたのは5歳の頃。後に廃止された旧士幌線木野駅が遊び場で、気さくな駅員との交流が楽しかった。

     中学生になり、全道で鉄道を乗り継ぎ、切符を集める「乗り鉄」になった。高校生では「音鉄」。ソニーのテープレコーダーを買い、車掌の声や車両の走る音をテープに記録した。

     大学生になると、キヤノンの一眼レフカメラを買った。「撮り鉄」の始まりで、各地で車両を撮影した。その後、札幌で働き始めると、古道具屋で鉄道アイテムを探す「収集鉄」の分野に踏み出す。1997年に地元の音更町に戻り、「ふるさと銀河鉄道」を応援したが廃線となった。その時、限定の車両模型を手に入れ、「模型鉄」にたどり着いた。

     収集品ごとにさまざまな人の思い出があり、顔が浮かぶという。当初は自宅の2階で収集品を展示したが、もっと多くの人に見て、触れてほしいと博物館を建てた。すると愛好家が集い、新たな出会いが加わった。幻といわれた「北海道拓殖鉄道」の切符を関係者から託されるなど、北海道の貴重な鉄道資料が5000点以上増えた。

     「ここは終着駅のない路線の駅。鉄道ファンとずっとつながることができます」と穂積さん。上空には十勝地方特有の快晴、「十勝晴れ」が広がっていた。【写真・文 梅村直承】

    関連記事

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 九大の森 静寂こそ…インスタ映えで殺到、閉鎖も検討
    2. 特集ワイド 財務事務次官のセクハラ疑惑 あきれた政府の人権感覚
    3. 反セクハラ 自民・長尾氏、女性議員に「縁遠い方々」
    4. 東京入管 収容トルコ人腹痛、放置 虫垂炎と腹膜炎併発
    5. 深い傷 性暴力の現場から/上 告白の夜、夫婦で号泣 父から強姦、被害公表し支援側に

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです

    [PR]