連載

ストーリー

記者が現場を歩き、見て、聞いて、感じながら、ニュースの深層、話題の人々の内面に迫る長編ルポ。

連載一覧

ストーリー

「追悼式」距離置く遺族(その2止) 「震災後」が日常に

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
復興工事が進む町を見つめる小野奈央さん。この高台に、こりんちゃんの名前を刻んだ慰霊碑が建つ=宮城県気仙沼市で
復興工事が進む町を見つめる小野奈央さん。この高台に、こりんちゃんの名前を刻んだ慰霊碑が建つ=宮城県気仙沼市で

 

 ◆3.11追悼式典 減少する参列者

「天使」と過ごした7年

 <天使になったこりたんと消費期限切れのママ>。そんなタイトルのブログを小野(旧姓・佐々木)奈央さん(43)=仙台市太白区=が始めたのは2012年5月のことだ。

 東日本大震災で津波にのまれ、<こりたん>と呼んでいた娘こりんちゃん(当時6歳)、父正人さん(同64歳)、母しのぶさん(同63歳)を失って1年余りがたっていた。やりきれなさを募らせていたとき、知人に勧められた。「自分の気持ちをつづった方が落ち着くよ」。娘が生きていた証しを残したいと、最初は一日に何度も更新した。復興工事が進むまちを眺めながらつづる思いは複雑だった。

 <『未来へ』と歩き出す人たちがいるおかげで、コンビニも電気もガソリンも道路も水道もなにもかもが不自由のない生活が送れるようになった。不通になった元道路をくぎを避け遺体を避けて歩いた日からたった一年もかからずに、車で何も考えずに走られるようになった>

この記事は有料記事です。

残り4575文字(全文4994文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る
この記事の筆者
すべて見る

注目の特集