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「食」から人々の物語を描きます。

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串カツ×ホスピス 病床で味わう、幸せな記憶

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イラスト 佐々木 悟郎
イラスト 佐々木 悟郎

 大阪市にある淀川キリスト教病院のホスピス病棟では、毎週土曜に特別な夕食がつくられる。入院する末期がんの人たちからの「リクエスト食」。栄養士らが一人一人から忘れられない味や料理を前日に聞き、ベッドに届ける。

 3月半ばの夜、野山晴生(はるお)さん(66)が待っていたのは串カツ定食だ。「梅田、ミナミ、天満、付き合いでよう飲みに行ったり食べたりしました。串カツはどの店に行ってもだいたいはずれがないね」。ホタテにエビ、イカ、豚、タマネギ……。別添えの器で出されたソースにどぼんっと串を漬けてかぶりついた。

 大阪で生まれ、高卒でデザインの学校に通った後、さまざまな商売をした。30代で空調設備の会社を起こす。「大学出た人に対抗できるいうたら体力や技術しかないでしょ。上行こうと思ったらあきらめんことやね」

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