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第93回センバツ高校野球

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センバツ 三重、強打と粘り 49年ぶり4強 /三重

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 <第90回記念選抜高校野球>

 センバツ第10日の1日、三重は星稜(石川)に14-9で打ち勝ち、優勝した1969年以来49年ぶり2度目の4強入りを果たした。県勢のベスト4も94年の桑名西以来24年ぶり3度目。三重は同点の九回、曲孝史朗選手(3年)が勝ち越し打を放つなど5点を奪い、計15安打で乱打戦を制した。2日の休養日を挟み、第11日の3日の第2試合(午後1時半開始予定)の準決勝で、連覇を狙う大阪桐蔭(大阪)に挑む。【森田采花、木原真希】

 ▽準々決勝

三重

  034000205=14

  022001130=9

星稜

 開始時刻が予定より約1時間半遅い午後5時28分にずれ込み、照明がともされた。八回に同点とされるなど苦戦を強いられたが、持ち味の粘り強さで4強入りを果たすと、アルプス席が歓声で揺れた。

 山本大雅投手(3年)が初回、3者凡退で上々の立ち上がりを見せると、二回、打席でも先制の二塁打を放った。流れを呼び、梶田蓮選手(同)は右翼席に2ランを放った。母祐美さん(42)は「勢いのつく本塁打だった。流れを引き寄せてくれた」と涙ながらに話した。

 2点を返された直後の三回も打線がつながった。2点を追加し、上位打線の梶田選手と浦口輝選手(3年)の連続適時打で計4点を挙げた。

 だが星稜もしぶとく八回に3点を奪われ、この試合初めて追いつかれた。それでも九回、敵失から無死一、三塁とすると、曲選手の適時打で勝ち越した。母裕子さん(47)は「ここぞという時に打ってくれた。誇らしい」と笑みを広げた。

 九回は打者一巡で5点を挙げ、山本、吉井洸輔(3年)、定本拓真(同)の3投手の継投でしのいだ。

 準決勝の相手は、準優勝した2014年夏の甲子園決勝で敗れた大阪桐蔭。雪辱を懸けた一戦となる。

教え子登板に満足

 ○…三重の野球部OB、加古和久さん(40)は23年越しの雪辱を果たした。1995年の高校3年の時に出場したセンバツの初戦で星稜に0-4で負けた。ベンチで試合を見守った加古さんは悔しさを忘れられなかった。指導者となり野球に携わり続けた。松阪西中学校の監督として指導した選手の中に吉井洸輔投手がいた。吉井投手が七回から登板すると「相手に考えるすきを見せない速いテンポで投げている」と語り、あの春の雪辱を遂げてくれた教え子の奮闘を満足そうに見つめた。

新法人、記念の1勝

 ○…三重は1日から運営主体を名古屋市に本部を置く学校法人・梅村学園から、地元・松阪市に新設した学校法人・三重高等学校に移して再出発した。地域の要請に迅速に対応するのが狙いで、選手たちもこれを機に「初心に戻ろう」とセンバツを制覇した1969年当時に近いデザインのユニホームに戻して甲子園で奮闘。アルプス席の中谷文弘校長(64)は「法人の新たな歴史の一ページに記念すべき1勝を」と祈るように見つめた。


 ■熱球譜

自分の長打力を信じ 3年・梶田蓮中堅手

 球場の歓声も聞こえないほど集中していた。二回、1点を先制して迎えた1死二塁の場面で「自分の長打力を信じる」と振り抜いた。打球は大きな弧を描き右翼フェンスを越えた。「よっしゃ!」と声を上げ、笑顔でダイヤモンドを駆けた。

 俊足の1番打者として小島紳監督から「梶田が出塁すれば、8割は得点につながる」と評される。普段はチームを盛り上げる「お調子者」だが、野球のことになると表情が変わる。「夢中になれるものは野球しかない」と技術を磨いてきた。

 「1番打者というプレッシャーに押しつぶされそうになる」。昨秋は公式9試合で打率は2割6分3厘と伸び悩んだ。必要以上に力んでしまっていた。ほぐしたのは小島監督だった。「1番にふさわしいものを全て兼ね備えている。何も心配しなくていい」。平常心で練習に向き合った。

 大阪の名門「大阪八尾ボーイズ」出身で、三重に進んだのは、大阪桐蔭と決勝で激戦を繰り広げた2014年夏の準優勝に胸を揺さぶられたからだった。

 準決勝はその大阪桐蔭が相手。「やっとここまで来た。ずっと対戦したかった大阪桐蔭との試合が楽しみで仕方がない」。帽子のツバには「俺が導く」との力強い文字がある。【森田采花】

〔三重版〕

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