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学校と私

「自分らしく生きる」大切に=俳優・須田邦裕さん

須田邦裕さん

須田邦裕(すだ・くにひろ)さん

 玄界灘に浮かぶ姫島(福岡県糸島市)で生まれ育ちました。人口は200人くらい。だから、小学校も中学校も島に一つしかありません。学年に子どもは1人。子どもよりも先生のほうが人数が多いという状況です。市立姫島小は校舎に教室が三つしかなくて、1、2年、3、4年、5、6年が一緒に勉強する「複式学級」でした。

     同級生、言い換えると、ライバルがいないわけです。誰かと競うということがなくて、小学1年から中学3年までずっと、試験は「クラスでトップ」でした。よく言えば、おおらか、別の言い方をすると、競争心の薄い人間になりました。今、役者の世界で生きていく上で「もっと頑張らなきゃいけない」と思うこともありますよ。

     放課後の遊びは必然的に全学年が一緒。島は広くないし、集落のほかは山と海だったので「何時にどこに集合ね」という約束をしなくても、自然と集まることができました。人数が少ないから野球やサッカーのチームを組むことができない。だから、集団でするスポーツが苦手です。運動会は父母も参加する島全体のイベントでしたね。

     島に高校がなく、自宅を離れて福岡市内で暮らしながら県立高に通いました。1学年に10前後のクラスがあることに驚き、初めて出席番号をもらいました。姫島は九州の人でさえもほとんど知らないマイナーな島です。コンプレックスがありましたが、同級生に島のことを話すとすごく興味を持ってくれて、すぐになじめました。

     私の父は姫島と九州本土を結ぶ渡船の船長でしたが、カメラが好きで自宅に暗室もありました。中学生の頃からカメラを拝借して撮影をしていたのですが、高校生になって帰省すると、被写体としての島の魅力に気がつきました。古い木造の校舎や漁師の仕事ぶりなど、独特の風景の撮影にのめり込みました。それが今の仕事につながっています。テレビの世界で働きたいと日本大芸術学部映画学科に入りました。東京都内の大学に進んだ初めての姫島出身者だそうです。誰かと比べるのでなく、「自分らしく生きよう」という島で育んだ気持ちはずっと大切にしています。【聞き手・水戸健一】


     ■人物略歴

     1978年生まれ。学生時代から多くの自主製作映画に出演。2004年に事務所に所属し、「海賊とよばれた男」や「半沢直樹」、NHK大河など多くの映画やテレビドラマで活躍中。

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