【パリ賀有勇、ブリュッセル八田浩輔】フランスで義務教育の開始年齢が現在の6歳から3歳に引き下げられる見通しになった。移民層などを念頭に幼児期の「教育格差」の是正を目的としてマクロン大統領が主導した。2019年9月の導入を見込み、欧州ではハンガリーと並んで最年少の義務教育開始年齢となる。
フランスには3~5歳の子供を受け入れる「保育学校」があり、希望者は2歳からでも入学できる。入学は義務付けられていないが、仏国立統計経済研究所によると3歳児の97・6%が通っている。
公立の保育学校は無料となっているものの、海外県や移民系住民が多い貧困地域では就学率が低い傾向がある。マクロン氏は3月27日の演説で保育学校の就学義務化方針を公表し、「受け入れがたい格差が是正されることを願う」と強調した。
教職員組合からは義務教育の開始年齢を2歳とするよう求める声もあるが、「(幼過ぎて)学校に適応できるかはケース・バイ・ケース」(ブランケール国民教育相)と慎重論が根強い。
欧州連合(EU)の教育助成プログラムに参加するEU非加盟国を含む欧州計38カ国を対象にした欧州委員会の調査(17年)によると、3歳から義務教育が始まるのはこれまでハンガリーだけ。
英国の北アイルランド、ルクセンブルク、スイスは4歳と規定するが、5~6歳が一般的だ。経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査(PISA)で欧州の中で最も成績が良いフィンランドとエストニアは7歳から義務教育が始まる。
一方、欧州では子の発達にあわせて親の判断で義務教育への参加を遅らせることも珍しくない。全米経済研究所の調査報告(15年)によると、6歳から義務教育が始まるデンマークでは男児の5人に1人、女児の10人に1人程度が小学校への入学を1年遅らせる。



