メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

悪質クレーム

「筋論クレーマー」増加、理不尽な要求も

小売業クレームのイメージ

 小売業や流通業の現場で働く人が、客からの悪質なクレームに苦しんでいる。怒鳴り声にショックを受けて仕事を辞める人もおり、客が不注意で起こしたトラブルの補償を店側に要求する事態も起きている。「どこまで対応すればいいのか」。解決策は見いだせず、店側は頭を悩ませている。

 東京都内の百貨店で働く40代男性は昨年、過去に期間限定で販売した商品を買いたいと女性客から電話で問い合わせを受けた。現在は取り扱っていないため、別の取扱店や購入方法を提案すると、「上の者を出せ」などと約30分にわたり怒鳴られ、その後も10回近く電話があった。最終的には断ったが、「言葉が頭にこびりつき、明日も電話があるのではと不安だった」と振り返る。

 こうした事例は珍しくない。電話で激しくクレームを言われ、受話器を握る手を震わせて、涙を流しながら対応する若手スタッフもいる。男性は「つらい経験で仕事を辞めるスタッフもおり、仕事への影響は大きい」と打ち明ける。

 首都圏でスーパーマーケットを展開する企業で顧客のクレーム処理を担当している60代男性は、理屈っぽく苦情を言ってくる「筋論クレーマー」が増えてきていると感じている。会社を退職したぐらいの年配の男性客が多い。「店員のあいさつがない」など細かいことに反応し、「俺はどれぐらい店に金を落としていると思っている」などと苦情を言ってくるという。

 理不尽な要求もある。駐車場で物損事故を起こした客や、購入した商品を店内で置き引きされたと訴える客が「店にも責任がある」と補償を求めてくることがあるという。男性は「基本的にお客様は善というスタンスで対応しているが、そこまで求めてくるのかと感じることもある」と話す。【古関俊樹】

迷惑行為、約7割が経験 労組アンケ

 「バカ、死ね、辞めろ」と怒鳴られた、腰をなでられたが客だと思い注意できなかった--。流通やサービス業などの労働組合が加盟する産別労組「UAゼンセン」が昨年6~7月に実施したアンケート調査に寄せられた店員らの声だ。

 調査では、回答した約5万人の7割ほどが客から悪質な迷惑行為を受けた経験があることが明らかになった。被害者の約28%が人格を否定するような暴言を受け、精神疾患になった人も359人いた。全体の半数の人が「迷惑行為は最近増えている」と感じているという。

 UAゼンセンは対応のガイドラインも作成し、ホームページで公開している。繰り返し電話で不合理なクレームを言ってくる客には3回目の電話で「対応できない」と伝え、通話記録を残すなど、事例ごとに対応のポイントを具体的に記載している。

 担当者は「この問題が産業の魅力を損ね、企業の生産性を低下させる要因にもなっているのではないかと懸念している。国には積極的な対策を取ってほしい」としている。【古関俊樹】

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. アクセス 「妊娠順」園長が決定 保育士「子供ができてすみません」 美容業界でも出産年齢指示
  2. 余録 「失礼ですが、どなた様ですか」と聞いたはずが…
  3. 女性保育士 「妊娠の順番決め」は守るべきルールか
  4. 性的虐待 父「誰にも言うな」から救った夫の「悪くない」
  5. 悪質クレーム 「筋論クレーマー」増加、理不尽な要求も

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです

[PR]