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トレンドに迫る

宝塚歌劇 宙組20周年 生え抜きトップ誕生に期待

宝塚大劇場で上演中の宙組公演レビュー「シトラスの風」より、新トップコンビの真風涼帆(前列中央)と星風まどか(同右)=平川義之撮影
「宙組」の名称発表会。初代トップの姿月あさと(右から2人目)らが披露した=1997年12月12日

 宝塚歌劇の宙(そら)組が今年、誕生から20周年を迎えた。1世紀を超える宝塚の歴史のうち、第1回公演から20年間の草創期に生まれた花、月、雪、星の各組に対し、宙組は21世紀を目前にした1998年に結成。独自の魅力でファンの目を引きつけてきた。

     新組創設は実に65年ぶりだった。その背景には、2001年から東京宝塚劇場(東京都千代田区)が専用劇場としてスタートし、宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)と東京での通年公演のため5組体制が必要になった、という事情がある。メンバーは既存の4組から選抜され、初代トップコンビは長身で抜群の歌唱力を備えた姿月(しづき)あさとと花總(はなふさ)まりが選ばれた。

     今年2月に宝塚大劇場であった20周年記念イベントでは、歴代トップスター8人が勢ぞろいした。姿月は新組の名称にまつわる裏話を披露。記者発表の日までメンバーは、誰も組名を知らされていなかった。当日、書家が大筆で組名を揮毫(きごう)すると、その筆先に視線がくぎ付けになった。「1画目を見て、うわさに上がっていた『虹』や『夢』ではないとわかった。でも『宙』は読み方すらわからなかった」と苦笑した。「空」の字は「空席につながるので縁起が悪い」との理由で避けられ、「宇宙に羽ばたいていけるように」として「宙」に決まったという。

     98年元日に正式発足して3月、ミュージカル「エクスカリバー」とレビュー「シトラスの風」がお披露目公演となった。姿月は「不安でいっぱいだったけど、がむしゃらにやるしかなかった」と当時を懐かしんだ。

     絶大な人気を集めながら就任からわずか2年で退団した姿月の後を引き継いだのが和央(わお)ようか。長身のトップが続き、「宙組の男役は長身」のイメージが定着する。和央は花總と6年にわたってコンビを組み、「オペラ座の怪人」を舞台化した「ファントム」の日本初演(04年)を成功させた。「少年の心を持つファントムには『青』のイメージがあったので『仮面を青色にしてほしい』と劇団にむちゃを言ったら本当に作ってくれた」(和央)。「ファントム」は宝塚の人気演目となり、今年は雪組が再演する。

     3代目の貴城(たかしろ)けいと紫城(しじょう)るいコンビは大劇場公演1作のみで退団。続く大和(やまと)悠河(ゆうが)と陽月華(ひづきはな)の時代に宙組は10周年を迎えた。大和は「『いろんな組の人が集まった組をトップとして率いるのは大変だな』と思った。あれからもう10年なのですね」とかみしめるように語った。

     5代目の大空(おおぞら)ゆうひ(当時は祐飛)は入団18年目での遅咲きのトップ。09年から3年間、野々(のの)すみ花(か)との芝居巧者のコンビで人気を集めた。「学年が上がってからトップになった私に上級生も下級生も温かかった。苦悩する役が多かったが、楽屋の楽しさに救われた」と振り返った。

     14年の宝塚歌劇100周年の前後にトップを務めた凰稀(おうき)かなめの時代は「風と共に去りぬ」や「ベルサイユのばら」など大作が続く。相手役の実咲凜音(みさきりおん)は15年の凰稀退団後、7代目の朝夏(あさか)まなとともコンビを組んだ。

     現トップは身長175センチ、男の色気がにじみ出る真風涼帆(まかぜすずほ)。清楚(せいそ)な雰囲気の娘役、星風(ほしかぜ)まどかとの新トップコンビがお披露目公演の真っ最中だ。

     宙組が他の4組に与えた影響について、映画・演劇評論家の薮下哲司さんは「タカラジェンヌは配属された組への愛情が強い。『芝居の月組』や『日本物の雪組』など、各組が持ち味をさらに明確にしようと切磋琢磨(せっさたくま)する雰囲気が高まった」と評価する。

     一方で課題も。宙組創設時からのメンバーだった姿月と和央を除くと、トップは他組からの就任。薮下さんは「人気と実力があるのに、自分の組でトップになれないスターの受け皿のようになっている。利点はあるが、宙組の若手スターの士気を下げている面は問題」と指摘する。

     今回、星風は宙組生え抜きで初のトップ娘役となったが、真風は星組出身。続く男役の芹香斗亜(せりかとあ)も昨秋、花組から移ってきた。宙組生え抜きトップスターの誕生をファンは待ち望んでいる。【田中博子】

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