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第103回全国高校野球選手権

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第90回選抜高校野球

準決勝 届かなかった数センチ、今度こそ 三重、大阪桐蔭に雪辱を

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2014年夏の甲子園決勝、七回裏に大阪桐蔭の打球に飛びつく三重の長野勇斗選手。わずかに及ばず、逆転された=阪神甲子園球場で、津村豊和撮影 拡大
2014年夏の甲子園決勝、七回裏に大阪桐蔭の打球に飛びつく三重の長野勇斗選手。わずかに及ばず、逆転された=阪神甲子園球場で、津村豊和撮影

 センバツ第11日の3日、49年ぶりに4強入りした三重は準決勝で、連覇を狙う大阪桐蔭に挑む。2014年夏の甲子園決勝で3-4で惜敗した因縁の相手。その準優勝に憧れて各地から集まった三重の選手たちは先輩の思いも背負い、雪辱のグラウンドに向かう。【森田采花】

 俊足巧打で今大会の三重の快進撃をけん引する浦口輝(ひかる)選手(3年)は、あの瞬間が目に焼きついている。

 4年前の夏の決勝。三重1点リードの七回2死満塁、大阪桐蔭の打者の詰まった打球がふらりと中堅前に上がった。中堅手は主将の長野勇斗さん(21)だった。俊足を生かし飛び込んだが、グラブのわずか先に球は落ちた。打ち取ったはずなのに、2人が還って決勝点となった。

今大会の日大三戦で六回裏、適時三塁打を放つ三重の浦口輝選手=阪神甲子園球場で2018年3月29日、渡部直樹撮影 拡大
今大会の日大三戦で六回裏、適時三塁打を放つ三重の浦口輝選手=阪神甲子園球場で2018年3月29日、渡部直樹撮影

 学校に近い三重県松阪市出身の浦口選手はその時、三重の応援団で埋まるアルプス席で無情さと無念さを共有した。「試合が決まってしまった、あの届かなかった数センチを僕らは大事にしてきた」。この一戦に胸を熱くして大阪府や京都府、岡山県から三重に集まった仲間と夏も冬も走り込み、バットを振った。

 青山学院大に進み、今年、野球部主将に就いた長野さんも松阪市に帰省する度に母校に寄り、助言を送る。今年2月、長野さんが打撃練習に付き合ったのは浦口選手だった。「芯で球を捉えることだけ考えて。勝手に飛んでいくから」。走攻守全てを手本にする憧れの先輩の助言は、今大会12打数6安打5打点の活躍に実った。

 三重は昨秋の東海大会準決勝で敗れ、90回記念大会で出場枠が拡大されていなければ、甲子園に出ていなかったかもしれない。春夏の甲子園優勝計3回の日大三(東京)を初戦で破って勢いづくと、試合を重ねるごとに成長し、雪辱の舞台にたどり着いた。

 浦口選手は「大阪桐蔭は打ち破るには、分厚すぎる壁。先輩たちの悔しさを背負って試合に臨みたい」と意気込む。長野さんは「もう一度、大阪桐蔭と戦う土俵まで来てくれた。今のチームなら勝てると思う」と期待する。「数センチの悔しさ」を晴らす時が来た。

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