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出版

後南朝テーマ、川上村の伝承記す 奈良の増田さん /奈良

出版した「沈黙する伝承~川上村における南北皇胤追慕」を手にする増田隆さん=奈良市で、塩路佳子撮影

 奈良市のフリーライター、増田隆さん(54)が、川上村に伝わる「後南朝」の歴史を記した「沈黙する伝承~川上村における南朝皇胤(こういん)追慕」を出版した。村に残る史跡や、南朝の親王をしのんで560年にわたって執り行われてきた行事「朝拝(ちょうはい)式」などを紹介する。

     「後南朝」は、二つの朝廷が並立した南北朝時代が1392年に終わった後も、北朝系と南朝系が交代で皇位につく約束が守られず、抵抗を続けた南朝系勢力をいう。1457年、吉野に逃れていた南朝系の親王の兄弟が、北朝方の一党に若くして討ち取られたとされ、本は村に残る伝承からその史実をひもとく。史料が少なく、「後南朝」に関わる史実は判然としない部分も多いが、増田さんは「伝承をありのままに受け止め、大切に守りたい」と語る。

     村では、遺品の兜(かぶと)を拝し、親王を追慕する「朝拝式」が今も毎年2月5日に行われる。増田さんは、式の中心となる「筋目(すじめ)」と呼ばれる村人に話を聞き、式にも参列。本では、村人が親王の死に対し、「自分たち川上郷士がよそ者(北朝方)を信じて受け入れ、両宮の御座所を軽々しく口にしたため」と悔恨の念を抱いていることも記される。

     増田さんは「先祖代々伝えられるものを、自分が見てきたように語る村の人に熱い思いを感じた。伝承を知ってもらい、その舞台を興味本位ではなく訪ねてほしい」と話す。

     B6判(横128ミリ、縦182ミリ)272ページで、1400円(税抜き)。問い合わせは京阪奈情報教育出版(0742・94・4567)。【塩路佳子】

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