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社説

大谷投手がメジャー初勝利 二刀流デビューに胸躍った

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 大きな挑戦が始まった。米大リーグ・エンゼルスに入団した大谷翔平投手が初登板で初勝利を挙げた。すでに開幕戦では指名打者で先発して安打を記録している。これで「二刀流」デビューを果たした。

     球団によると、開幕戦に先発出場した野手が、開幕10試合以内に投手で先発登板したのは1919年のベーブ・ルース以来99年ぶりという。

     試合後は「ここまで来たというよりは、始まったという感じが強い」と、米国での二刀流スタートに感慨を述べた。今後も投打両面での活躍を期待したい。

     今回の米移籍は、二刀流への挑戦という意味で、これまでの日本選手のそれとは事情が大きく異なる。

     岩手・花巻東高時代、米球界入りを目指す意思を撤回してプロ野球・日本ハム入団を決めたのも、昨年12月、移籍先にエンゼルスを選んだのも、二刀流を認めたうえでの青写真を球団がしっかり描いたからだ。

     オープン戦は投打ともに順調といえず、米メディアの間で懐疑的な見方も広がった。しかし、投手デビュー戦の好投に「争奪戦の理由を証明した」など賛辞が相次いだ。

     大リーグの長距離移動や過密日程など待ち受ける障壁は高い。適応力が問われるのはこれからだ。投手と野手との併用は他の選手起用にしわ寄せが生じる。ともすれば、チームの不協和音の原因になりかねない。常に結果が求められる立場だ。

     大谷選手の活躍がもたらす影響はプロ球界だけにとどまらない。

     かつては「エースで4番」といった、投げて打てる青少年期の選手はたくさんいたが、そういう選手は減っている。最初から守備位置やチーム内での役割などを絞り込み、専門化した方が強化につながると考える風潮があるためだ。

     ただ、今でも大谷選手を目標とする野球少年は多い。子どもの才能や可能性を長い目で考える指導のヒントになるのではないか。

     「継続してきたものを伸ばしたい。どちらか一つを諦めることは考えていない」と、大谷選手は二刀流への決意を語っている。その先、志すのは「世界一の選手」である。

     投手と野手は同時にできないという常識を覆してきた大谷選手だ。頂を目指す道のりを見守りたい。

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