特集

第93回センバツ高校野球

第93回選抜高校野球大会の特集サイトです。3月19日から4月1日まで阪神甲子園球場での熱戦を全試合ライブ中継します。

特集一覧

選抜高校野球

後輩に励まされ 車椅子の大阪桐蔭OB

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷
「頂点を目指してほしい」と大阪桐蔭にエールを送る元主将、平岡成浩さん=大阪府八尾市で 拡大
「頂点を目指してほしい」と大阪桐蔭にエールを送る元主将、平岡成浩さん=大阪府八尾市で

 センバツで史上3校目の春2連覇を目指し、3日の準決勝に進んだ大阪桐蔭に、OBも熱い期待を寄せる。元主将、平岡成浩(しげひろ)さん(41)もその一人。2011年の交通事故で車椅子の生活となり、絶望的な気持ちになったが、後輩たちの翌年の春夏連覇に励まされリハビリに取り組んできた。「今年は持ち味の打撃力を発揮している。頂点をつかんで」とエールを送る。【加藤佑輔】

 「主将がそんなところ走ったらあかん。先頭で引っ張らなければいけないんや」。

 1993年、高2で主将になったころ、走り込みの列で前に出るよう、当時コーチの西谷浩一監督から叱られた。長距離走は不得意だったが必死に先頭へ。「主将は誰よりももがき、努力すべきだと教わった」と振り返る。

 一塁手としてチームをけん引したが、甲子園には出場できなかった。大学卒業後の2003年、カンボジアに渡り、中学同級生の旅行会社の経営に参加した。11年2月、観光スポット視察から車で帰る途中、パンクで横転。脊髄(せきずい)を損傷して下半身不随となり、両腕も思うように動かなくなった。医師から「もう歩けない。車椅子の生活になる」と言われた。日本でリハビリ生活を続けたが境遇を嘆き、「なぜ生きているんだろうと考えることも多かった」。

 この年の9月、元チームメートの結婚式で西谷監督と再会。「次のセンバツで必ず優勝旗を持って帰る。だからリハビリ頑張れ」と励まされた。言葉通り、大阪桐蔭は12年センバツで優勝。決勝は応援に駆けつけ、宿舎で西谷監督から「ほら、優勝旗や」と手渡され、リハビリの気力がわき起こった。チームは夏の甲子園も制覇。2年ほどのリハビリに耐え、介助なしでもベッドから車椅子に移れるようになった。カンボジアに戻り旅行業で内勤中心の仕事を続けた。

 昨年6月から「褥瘡(じょくそう)」(床ずれ)の治療のため一時帰国し、大阪府八尾市の病院に入院している。「もう一度あの感動を味わいたい」。チームが3日の三重との準決勝に勝てば、外出許可を得て決勝の応援に来るつもりだ。

次に読みたい

あわせて読みたい