特集

第93回センバツ高校野球

第93回選抜高校野球大会の特集サイトです。3月19日から4月1日まで阪神甲子園球場での熱戦を全試合ライブ中継します。

特集一覧

真剣味

センバツ 三重、十二回力尽く 全力プレーに拍手(その1) /三重

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷

 <第90回記念選抜高校野球>

 センバツ第11日の3日、三重は準決勝で、大阪桐蔭に延長十二回、2-3でサヨナラ負けした。チーム49年ぶり、県勢24年ぶりにベスト4入りする快進撃を見せてきた三重の春が終わった。大阪桐蔭に4年前の夏の決勝で敗れた雪辱を果たすため、三回に持ち前の機動力も絡めて先制し、主将の定本拓真投手(3年)が163球の力投を見せたが、2時間23分の熱戦の末、敗れた。一歩も譲らない姿勢を貫いた選手たちに、三塁側アルプス席を真っ赤に染めた大応援団からは、大きな拍手と「ありがとう」のねぎらいの言葉が送られた。【森田采花、山本萌】

 ▽準決勝

三重

  002000000000=2

  000001001001=3

大阪桐蔭

 (延長十二回)

宿敵・大阪桐蔭の壁

 乱打戦が予想された試合で両投手が上々の立ち上がりを見せた。均衡を破ったのは三重。9番打者の井上裕斗選手(3年)が「下位打線まで切れ目がないということを知らしめたかった」と左前打で出塁すると、二盗に成功。続く梶田蓮選手(同)がフルカウントから左前に先制打を放った。浦口輝選手(同)も流れを断つまいと右中間への適時三塁打で続いた。

 浦口選手から試合前に「思いっきり楽しんでくるわ」とメールを受け取ったという父通仁さん(51)は「うれしい。いつものプレーで頑張って」と万歳し、破顔した。

 大阪桐蔭の強力打線を相手に、マウンドの定本投手は一歩も引かない。四回は2死から満塁とされたが、後続を中飛に仕留めた。アルプス席で祈るように手を合わせていた三重高2年の柴田華蓮さん(16)は歓声を上げながら「まだ1点も取らせていない。このまま抑えて」と友人と手を取り合った。

 ただ大阪桐蔭の2番手の根尾昂投手(3年)の前に、三重は追加点を挙げられない。大阪桐蔭に六回にソロで1点を返され、勝利を目前にした九回に適時打を浴びて追いつかれた。

 延長戦に入り、小島紳監督は選手に「もう1回ゼロから始めよう」と声をかけた。選手たちの一投一打に互いのアルプスがどよめく中、十二回2死一塁から二塁打を放たれ、勝負は決した。

 強打線を被安打7に抑えて完投した定本投手の母洋子さん(50)は「もう1回出直してきます。いい経験をしたんじゃないかな。『またトレーニングし直そうな』って言いたいです」と目に涙をためて健闘をたたえた。

 ■熱球譜

こん身の163球「次こそは」 3年・定本拓真投手

 延長十二回2死一塁、決め球のストレートを投げ込んだ。甘い球ではなかった。快音が響き左中間を抜けるサヨナラ打になった。思わず、下を向いた。

 強力な大阪桐蔭打線相手に五回まで無失点に抑えた。「自分の投球ができている」と手応えを感じていた。だが六回2死から左越え本塁打を浴び、九回に四球から追いつかれた。「まだ不完全だったのか……」。去年の悪夢が頭をよぎった。

 エースだった昨夏に上半身の急激な成長に伴いフォームを崩した。立て直せない日々が続いた。投げては打たれ「エースは自分なのか」と思い悩んだ。

 バッテリーを指導する中村好治総監督や社会人野球で投手の経験もある父博史さん(47)とフォームの修正に励み、今年に入って球威を取り戻した。背番号は10となったが、初戦の日大三戦で完封勝利を挙げた。

 延長に入ってからは自分との闘いだった。頭に浮かぶ去年の苦い記憶をぬぐい去り「あのころよりずっと強くなった。必ず抑える」と集中力を切らさなかった。

 宿敵の大阪桐蔭に再び敗れたが、こん身の163球。「質をあげて、次こそは勝つ」と誓った。【森田采花】

野球部副部長が演奏

 ○…三重の野球部副部長の服部太輔さん(35)がアルプス席でトランペットを吹いた。チームが準優勝した4年前の夏は吹奏楽部顧問で、再びトランペットを手にした。「久しぶりに吹いてしんどかったけれど、選手たちに負けていられない」と高らかな音色を響かせた。4年前と同じく逆転負けとなったが「持てる力は全て出し切ってくれた。ありがとう」とねぎらっていた。

〔三重版〕

次に読みたい

あわせて読みたい