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第93回センバツ高校野球

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第90回選抜高校野球

三重・準決勝惜敗 堂々駆け抜けた 伝統の機動力で旋風

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 <2018 第90回記念センバツ高校野球>

 センバツ第11日の3日、三重が準決勝で、連覇を狙う大阪桐蔭に延長十二回の末、2-3でサヨナラ負けした。準優勝だった2014年夏の決勝に続き、大阪桐蔭の壁に阻まれたが、1969年以来49年ぶりとなるセンバツベスト4。伝統の「恐れ知らず」の機動力を発揮し、旋風を巻き起こした。

 先制は、やはり「足」が起点となった。三回1死から左前打で出塁した9番打者の井上裕斗選手(3年)が二盗を成功させて相手バッテリーを揺さぶり、梶田蓮選手(同)、浦口輝選手(同)の連続適時打につながった。「サインが出たが、もちろん同じことを考えていた」と井上選手は誇らしげだ。

 春夏優勝計3回の日大三(東京)を破った初戦から果敢に走った。2回も盗塁を阻止された後に臆せず5盗塁を決め、流れを呼び込んだ。大会最年少指揮官の28歳の小島紳監督は「積極的に攻めている姿勢を誰が責めることができようか。前向きに勝とうとする選手を褒めたい」。ミスをとがめない、チャレンジ采配が光った。

 アルプス席から「自分たちのチームに似ている」と目を細めたのは、地元の三重県松阪市から駆け付けた中田和男さん(66)。49年前の優勝時の主将で、後に監督も務めた。

 当時まだ創部9年目で、砂利だらけのグラウンドで足を徹底して鍛えた。戦後のセンバツ史上最年少22歳で優勝監督となった村井洋児監督(71)は「常に次の塁を狙え」と言い続け、失敗はとがめなかった。「速攻の三重」として頂点に立ったが、「あの大会は5試合で8回もけん制で刺された」と振り返る。

 選手たちは今も、学校周辺の坂道を走る練習を続けており、中田さんは「足で稼ぐ野球が受け継がれている」と後輩たちの躍進に満足そう。今大会2盗塁を決めた浦口選手は「常に次の塁を見ていた。三重の機動力は通用したし、誇れる。粘り強さをつけて甲子園に戻ってくる」と誓った。【森田采花】

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