第90回選抜高校野球
県勢2校の戦い振り返る 東海大相模 継投パターンを確立/慶応 「詰めの甘さ」を実感 /神奈川
- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷
<第90回センバツ>
第90回記念選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催)は4日、熱戦に幕を下ろした。県勢は2校が出場。7年ぶりの優勝を目指した東海大相模は、昨秋の各地方大会の覇者が集まる激戦ブロックを勝ち抜いて4強入りし、9年ぶり9回目の出場だった慶応は、初戦で惜敗したが終盤に粘りを見せる好ゲームを展開した。2校の戦いの軌跡を振り返る。【中村紬葵】
東海大相模は大会序盤から持ち前の強力打線で「アグレッシブベースボール」を体現。投手陣は昨年9月の県大会決勝以来の公式戦登板となったエースの斎藤礼二投手(3年)と野口裕斗投手(2年)の継投で、準決勝に進出した。
打線は初戦の聖光学院(福島)戦と静岡(静岡)戦ともに2桁安打で大量得点。昨秋の公式戦で得点源だった小松勇輝主将(3年)ら1~3番だけでなく、6番・後藤陸と7番・渡辺健士郎、9番・佐藤暖起の3選手(いずれも3年)が奮起した。渡辺は静岡戦で2点本塁打を放ち、「どんな形でも1点とろうと思った。監督の指示通り中堅狙いを忠実にできた結果」と納得の表情を見せた。昨秋の公式戦打率1割台と苦しんだ佐藤は静岡戦で今大会初安打を放つと安堵(あんど)の表情を見せ、続く日本航空石川(石川)戦も2打数2安打、2得点と活躍した。
投手陣はエースの斎藤投手が初戦の聖光学院戦に先発。無失点だった昨秋の県大会ほどの直球の伸び、変化球のキレが感じられないながらも、九回2死まで被安打3と粘りの投球を披露した。2戦目からは、大会が近づくにつれて調子を上げていた野口投手が先発。持ち前の強心臓を発揮して試合をつくり、斎藤投手への継投パターンを築いた。
迎えた智弁和歌山(和歌山)との準決勝は、初回に4点を先制するなど打線が勢いを見せたが、終盤は相手エースの前に失速。野口、斎藤両投手も計15安打を浴び、最大時に5点あったリードを守れなかった。延長十回の激闘の末に敗れ、斎藤投手は「自分の力不足」と繰り返した。
「甲子園で勝つことは難しい。監督の考えが選手にも一貫しているチームと対戦して自チームの未熟さを感じた」。門馬敬治監督は新チームになって言い続けてきた「意思統一、意志徹底」を相手に見せつけられ、唇をかみしめた。
慶応は昨夏の甲子園に出場した彦根東(滋賀)との初戦に敗れたが、両エース左腕が手に汗握る投手戦を展開し、打線も終盤、粘り強さを見せた。
エースの生井惇己投手(3年)は立ち上がりの初回に2死一、二塁のピンチをしのぐと、四回からは毎回走者を背負いながらも4失点に抑えた。「変化球の制球が定まらず、直球一辺倒になってしまった」と話したが、初めての甲子園で九回、147球を投げきった。
打線は相手エースの要所を締める投球に苦戦した。終盤に善波力(2年)の適時打で逆転する粘りを見せ、再逆転された後も1点差まで詰め寄ったが、あと一歩及ばなかった。
「詰めの甘さが顕著に出てしまった。もっと隙(すき)のないチームを目指す」。下山悠介主将(3年)は気持ちを新たにし、甲子園を後にした。
東海大相模 打撃成績
背番号 選手名 学年 打数 安打 本塁打 三塁打 二塁打 打点 三振 四死球 犠打 盗塁 失策 打率
1 斎藤礼二 (3) 8 2 1 0 0 3 4 1 0 0 0 .250
2 佐藤暖起 (3) 13 3 0 0 2 1 1 1 2 0 0 .231
3 渡辺健士郎 (3) 13 5 2 0 0 7 1 3 1 2 0 .385
4 山田拓也 (3) 15 4 0 0 2 2 0 5 0 0 0 .267
5 金城飛龍 (2) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 -
6 小松勇輝 (3) 19 6 1 2 0 2 2 1 0 1 1 .316
7 梶山燿平 (3) 14 3 0 0 1 4 3 3 1 4 0 .214
8 森下翔太 (3) 15 4 0 0 0 2 3 4 1 1 0 .267
9 後藤陸 (3) 14 5 0 1 1 4 1 1 2 0 0 .357
10 浅海大輝 (3) 2 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .500
11 野口裕斗 (2) 5 1 0 0 0 1 0 1 0 0 0 .200
17 上杉龍平 (3) 18 5 0 0 2 2 4 1 1 0 1 .278
18 遠藤成 (2) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 -
投手成績
背番号 選手名 学年 試合 投球回 被安打 奪三振 四死球 自責点 防御率
1 斎藤礼二 (3) 4 20 13 7 9 8 3.60
10 浅海大輝 (3) 1 1回2/3 2 0 2 0 0.00
11 野口裕斗 (2) 3 15 14 6 12 7 4.20
18 遠藤成 (2) 1 1/3 1 0 1 0 0.00
慶応 打撃成績
背番号 選手名 学年 打数 安打 本塁打 三塁打 二塁打 打点 三振 四死球 犠打 盗塁 失策 打率
1 生井惇己 (3) 3 0 0 0 0 0 2 0 0 0 1 .000
2 善波力 (2) 4 1 0 0 0 2 2 0 0 0 0 .250
3 吉川海斗 (2) 1 0 0 0 0 0 1 1 2 0 1 .000
4 奥村拓馬 (3) 3 1 0 0 1 1 0 1 0 0 0 .333
5 下山悠介 (3) 3 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 .000
6 宮尾将 (3) 2 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 .000
7 大川裕也 (3) 4 2 0 0 0 0 2 0 0 0 0 .500
8 関展里 (2) 4 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 .000
9 石田新之介 (3) 2 1 0 0 0 0 0 1 1 1 0 .500
15 広瀬隆太 (2) 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 .000
投手成績
背番号 選手名 学年 試合 投球回 被安打 奪三振 四死球 自責点 防御率
1 生井惇己 (3) 1 9 11 5 1 3 3.00
時系列で見る
-
’18センバツ 粘りの8強、歴史作った 総括と夏への課題 /長崎
1591日前 -
伊万里に応援団優秀賞 タオルで躍動感、美しい演出評価 /佐賀
1591日前 -
彦根東応援団が最優秀賞 迫力の「赤鬼魂」評価 /滋賀
1591日前 -
決勝 決勝 智弁和歌山、大きな収穫 情熱アルプス、赤く染め 監督・選手ひとこと /和歌山
1591日前 -
決勝 智弁和歌山、大きな収穫穫 情熱アルプス、赤く染め(その2止) /和歌山
1591日前 -
決勝 知事観戦「県民に感動」 /和歌山
1591日前 -
決勝 智弁和歌山、大きな収穫 情熱アルプス、赤く染め(その1) /和歌山
1591日前 -
決勝 大阪桐蔭、偉業に歓喜 スタンド、拍手の嵐 /大阪
1591日前 -
決勝 大阪桐蔭、偉業に歓喜 監督、主将の話 /大阪
1591日前 -
県勢2校の戦い振り返る 東海大相模 継投パターンを確立/慶応 「詰めの甘さ」を実感 /神奈川
1591日前 -
応援団賞の優秀賞に慶応 /神奈川
1591日前 -
春夏連覇へ気持ち切り替え 大阪桐蔭
1591日前 -
センバツ 三重、夏の再会誓う 2週間滞在のホテル出発 /三重
1591日前 -
OBの手作りグラブが支えた甲子園
1591日前 -
大阪桐蔭、連覇
1592日前 -
大阪桐蔭「雑用より実戦」20年 春連覇、実った下級生育成
1592日前 -
最優秀応援団賞、16強の彦根東に
1592日前 -
大阪桐蔭5-2智弁和歌山(その1) 智弁和歌山、夢続く 動じぬ打線、力尽きる
1592日前 -
大会通算最多安打616=大会新
1592日前