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第93回センバツ高校野球

第93回選抜高校野球大会の特集サイトです。3月19日から4月1日まで阪神甲子園球場での熱戦を全試合ライブ中継します。

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第90回選抜高校野球

決勝 智弁和歌山、大きな収穫 情熱アルプス、赤く染め(その1) /和歌山

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準優勝メダルを首にかけ、グラウンドに整列する智弁和歌山の選手たち=阪神甲子園球場で、平川義之撮影
準優勝メダルを首にかけ、グラウンドに整列する智弁和歌山の選手たち=阪神甲子園球場で、平川義之撮影

 <センバツ2018>

 智弁和歌山は4日、第90回記念選抜高校野球大会の決勝で大阪桐蔭に2-5で惜しくも敗れ、初優勝した1994年以来のセンバツ制覇はならなかった。先制したものの追加点を奪えず、現在の高校球界を代表するチーム相手にあと一歩及ばなかった。それでも、連日の好ゲームで18年ぶり3度目の準優勝を果たし、今後につながる大きな収穫を手にした。【木原真希、黒川晋史、日向梓、森田采花、中村紬葵】

大阪桐蔭との決勝で先発した智弁和歌山の池田陽佑投手=阪神甲子園球場で、平川義之撮影 拡大
大阪桐蔭との決勝で先発した智弁和歌山の池田陽佑投手=阪神甲子園球場で、平川義之撮影

智弁和歌山

  000200000=2

  00020012×=5

大阪桐蔭

次こそ絶対負けない

 乱打戦となった準決勝までの2試合から一転し、決勝は息詰まる投手戦となった。

 先発を託されたのは準決勝を一回途中で降板した池田陽佑投手(2年)。序盤から落ち着いたマウンドさばきで順調な滑り出しをみせた。母厚子さんは「準決勝のこと(4失点)があったので今日の先発には驚いた。何とか踏ん張って次の投手につないでほしい」とマウンド上の我が子を祈るように見つめた。

【智弁和歌山-大阪桐蔭】四回表智弁和歌山2死二、三塁、東妻の左前打で冨田が生還=阪神甲子園球場で、森園道子撮影 拡大
【智弁和歌山-大阪桐蔭】四回表智弁和歌山2死二、三塁、東妻の左前打で冨田が生還=阪神甲子園球場で、森園道子撮影

 四回、打線が好投に応える。2安打などで2死二、三塁と大きなチャンスを迎えた。「魔曲」の異名を持つ応援歌「ジョックロック」が球場に響く中、東妻(あづま)純平選手(2年)が変化球を左前に運んで2点を先取した。アルプススタンドは沸き、チームカラーの赤色のメガホンで揺れた。大太鼓をたたいていた応援団の井沼秀斗さん(3年)は「ジョックロックの力で相手にプレッシャーを与えたと思う」と力を込めた。

 しかし、その裏、内野安打や死球で無死満塁と大阪桐蔭に好機を与える。スタンドからは「池田、大丈夫だ、大丈夫」と声援が送られたが、守備の乱れもあり、同点とされた。

 七回無死一塁からマウンドを継いだ主戦・平田龍輝投手(3年)だったが、この回に勝ち越しを許し、八回途中で無念の降板。前日は180球のロングリリーフで、「疲れは感じなかったが、ストレートは伸びず、変化球も高めに浮いていた」と振り返った。3点を追う九回表、この日一番の大声援が送られる。先頭打者の黒川史陽選手(2年)が安打で出塁してスタンドを沸かせたが、後が続かず無情のゲームセット。宿敵・大阪桐蔭への雪辱はならず、黒川選手の母枝里子さん(48)は「次は絶対、絶対負けない」と涙をこらえていた。

悔しさ糧に「五度目」挑む 文元洸成(ふみもと・こうせい)主将(3年)

準優勝旗を持って場内一周する智弁和歌山の文元洸成主将=阪神甲子園球場で、幾島健太郎撮影 拡大
準優勝旗を持って場内一周する智弁和歌山の文元洸成主将=阪神甲子園球場で、幾島健太郎撮影

 準優勝旗を手に、先を歩く大阪桐蔭の選手たちをじっと見つめながらグラウンドを一周した。「悔しさしかない」と唇をかんだ。

 昨年の春、夏、秋と3連敗した大阪桐蔭への雪辱を誓って臨んだ今大会。高嶋仁監督からは「大阪桐蔭を倒すために決勝にいくぞ」と発破を掛けられ、闘志を燃やしてきた。

 主将を任されたが、優しすぎる性格やチームの統率ぶりなどを理由に叱られることもしばしば。チームをまとめる立場として仲間に「焦るなよ」と声をかけながら、十分な働きができず、自分が焦っていた時期もあった。

 今大会は相手チームに大きくリードを許す苦しい場面が幾度もあったが、その度に平常心を心がけて乗り越えた。この日は先制点を挙げ「勝てるという気持ちが頭をよぎり、甘さが出た」と悔やむ。

 4回目の挑戦でも高校球界トップチームの厚い壁を打ち破ることはできなかった。「まだ自分たちには優勝できるだけの力がない。気持ちを切り替えて夏こそリベンジしたい」。“五度目の正直”に向け、さらなる奮起を誓った。

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