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記者の目

栃木・那須雪崩事故から1年 遺族と共に再発防止策を=萩原桂菜(宇都宮支局)

高校生ら8人が死亡した雪崩事故から1年がたち、現地の献花台で手を合わせる人たち=栃木県那須町で3月27日、宮間俊樹撮影

 栃木県那須町の茶臼岳で、登山講習会に参加した同県立大田原高の男子生徒7人と教諭の計8人が死亡した雪崩事故から、1年がたった。その3月27日、県などが主催した追悼式には、遺族8家族のうち7家族の姿がなかった。踏み込んだ原因解明や責任追及を求める遺族と、県教育委員会や講習会を主催した同県高校体育連盟(県高体連)との間には、深い溝ができていた。県教委や県高体連は遺族に歩み寄り、実効性のある対策を示してほしいと思う。

 昨年10月、県教委が設置した第三者による検証委員会が「計画全体のマネジメントや危機管理意識が欠如していた」とする最終報告書を公表。これを受けて県教委は電波受発信器「ビーコン」など「冬山三種の神器」と呼ばれる道具を各校に貸し出したり、事務局内に学校安全課を新設したりする再発防止策を打ち出した。しかし、遺族が悲しみから救われているとは言い難い。原因解明などについて「納得できない」と遺族が訴えてきた一つ一つの要望が解決されないまま、形だけの再発防止や損害賠償といった対応が先行しているように感じるからだ。こうした中、遺族らは1月、事故の風化を防ぎ、率直な気持ちを伝えようとホームページを開設した。27日当日には「遺族・被害者の会」も結成した。悲しみの中でも遺族らは、意を決して声を上げ続けている。

 徹底的な原因解明を求める遺族の熱意が検証委を動かしたこともあった。昨年9月、遺族から「話したいことがあります」と連絡をもらった。次男淳生(あつき)さん(当時高校1年、16歳)を亡くした高瀬晶子さん(51)からで、内容は「7年前の雪崩事故」についてだった。高瀬さんは事故の直後、2010年3月に実施された同じ講習会でも生徒が雪崩に襲われていたことを知った。生徒は雪に埋まったが、けが人がなかったため県…

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