選抜高校野球
OBの手作りグラブが支えた甲子園
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第90回センバツで戦った高知。明秀日立(茨城)の前に敗れたが、甲子園を駆け抜けた選手たちの活躍の裏側には、「グラブ」で支える力強いOBの支援があった。高知高野球部元主将で昨年5月に高知県四万十町に工房「グローブ・ミット工房KAZ」を開いたグラブ職人、梅原和晃さん(29)は、選手たちに合わせたオーダーメードのグラブや職人の技術で、後輩たちを支援した。【岩間理紀】
須崎市出身の梅原さんは、主将として同級生の秦泉寺力仁コーチ(29)らとともに、2006年夏の高知大会に出場。1回戦で明徳義塾と対戦し、敗れはしたが「悔いはない」と言えるほど、仲間とともに全力を出し切った試合だった。
幼いころから「将来は野球に携わる仕事を」と考える中で、先輩が「グラブを作る仕事っていいな」と話しているのをたまたま聞き、その言葉がきっかけとなり夢の道筋を描くようになった。
同高卒業後、愛媛県のグラブ製作会社に勤め、11年目に独立。工房を開き、自身のブランド「KAZ」をスタートさせた。完全オーダーメードで、ロゴマークは「グラブが選手や職人をつなぐカギでありたい」という意味を込め「鍵」をイメージした。一緒にグラブを作る妻小百合さん(29)は、自身が出場した高知大会で、司会進行を務めていた。
工房には産地によって異なる牛皮やフェルトが並び、縫い合わせるミシンの音が夜遅くまで響く。梅原さんは「高知の選手たちの癖や特徴は全部分かっている」。高知高野球部では山崎蓮選手(3年)、中屋友那投手(3年)、阿部翔選手(3年)らが梅原さんのグラブを愛用。例えば主戦・中屋投手の場合には投球の際にグラブを握り力を入れる癖があり、力がうまく伝わるようにするなど工夫。中屋投手は「本当に使いやすい、ずっと投げやすくなりました」。グラウンドを訪れた時には選手たちのグラブを修理し、気さくに声を掛け相談に乗る。
5年ぶりの甲子園は、高知ナインにとって悔しさをかみ締め成長を誓う試合になった。だが、梅原さんは「意味のある試合になった。これからも自分の技術で支えていきたい。もう一度、夏の甲子園に僕のグラブを連れて行ってくれたらうれしい」。次の舞台に向かって新たなスタートを切った後輩たちに、力強いエールを送った。
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