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社説

年金データ入力ミス 重なる不祥事の根を絶て

 なぜ、年金のミスはこうも繰り返されるのか。国民の信頼を失っては年金制度はもたない。厚生労働省や日本年金機構は原因を究明し、再発防止に万全を期さねばならない。

     年金機構が委託した情報処理会社のデータ入力ミスが原因で、2月支給分の年金のうち10万4000人が計約20億円過少に支給されていた問題である。

     入力ミスは、年金受給者が所得税の控除を受けるために年金機構に提出した「扶養親族等申告書」で起きた。年金機構は2人1組で手作業で入力するよう指示していたが、同社は機器に読み込ませてデータ化していた。読み取りにミスがないかのチェックもしていなかった。

     契約内容に無理があったのではないか。1300万人分ものデータを手作業で入力するという膨大な業務量である。年金機構は競争入札を行ったが、応札は同社だけだった。結局、1億8200万円で同社が受注したが、契約では約800人で作業をするとしていたのに、実際には百数十人しかいなかったという。

     人手不足から500万人分の扶養家族の名前の入力を中国の業者に再委託していたことも判明した。契約では再委託が禁止され、作業場所は国内に限定されていた。明確な契約違反だ。

     年金機構は実際の業務が契約内容と異なっていることを昨年10月時点で把握していたが、代わりの業者が見つからないとの理由で契約を継続し、追加データを渡していた。

     同社は厚労省など官公庁からの受注が多く、年金機構からの受注は33回目だった。人手不足が強調されるが、年金機構とのもたれ合いの体質があったと思わざるを得ない。

     年金機構は2015年に約125万件の情報が流出してマイナンバーとの連携が延期になり、昨年は総額約600億円の年金支給漏れが発覚するなど不祥事が相次いでいる。

     旧社会保険庁が年金機構へと組織替えした際、大規模な人員整理が行われ、多くの業務が外部委託されることになった。大量の仕事ができる体制を整えているのだろうか。

     年金受給者は4000万人を超える。管理や業務委託のあり方を徹底して見直し、信頼の回復に全力を挙げなければならない。

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