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我らが少女A

/244 第7章 5=高村薫 田中和枝・挿画監修

 栂野雪子は夜勤明けの代休を利用して、木更津へ向かう。先週から上田亜沙子のケータイがつながらなくなり、あれこれ想像するのにも疲れて、いっそ落花生の送り状にあった住所を訪ねてみようと思い立ち、家を出てきた。新豆が美味(おい)しいと長閑(のどか)なことを言っていた亜沙子が急に連絡を絶つとしたら、事故か病気ぐらいしか理由が思いつかないし、もしそうなら、事件へのわだかまりはひとまずおいて、看護師の自分には何か出来ることがあるかもしれない。あまり時間もかけずにそんな結論を出していたが、せっかくの休日に、駒沢へ孫娘の顔を見に行くよりも上田亜沙子を優先している自分の気持ちがそれほど穏当なものであるはずはなかったし、事情によっては相手を逆に傷つけることになるのも承知の上で、自分を抑えられなかったというのが正しい。もしも上田亜沙子がこの世から消えてしまったら、事件も自分の気持ちも永遠…

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