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北陸ひと模様

「バンディッツ・BC」初代監督 田中康二さん /富山

バンディッツ・ベースボールクラブ初代監督の田中康二さん=富山市南新町のフールケア大地で、青山郁子撮影

諦めかけた夢この地で 田中康二さん(40)

 今季、北陸3県で六つ目の社会人野球チームが誕生した。富山市に本拠地を置く「バンディッツ・ベースボールクラブ」。有力選手の受け皿と、NPB(日本野球機構)への橋渡しとして、県内で介護福祉施設などを運営する「フールケア大地」(同市南新町)が母体になって結成した。監督兼マネジャーとして選手集めに東奔西走した田中さんの新チームにかける思い、そして野球の魅力とは。【青山郁子】

     出身は山梨県。2歳上の兄の影響で幼稚園の頃から野球を始め、山梨学院高時代は外野手として1年生の秋からレギュラー入り。2年春と3年夏に甲子園に出場し、それぞれ1回ずつ勝った。日大、社会人チームのシダックス(東京都、2006年に解散)を経て、同校のコーチ時代にも1度、夏の甲子園を経験した。

     現役を引退し、シダックスで営業の仕事をしていた時、知人の紹介で新チーム設立に関わることになり、昨年10月に単身で富山に来た。ずっと憧れていたが半分あきらめかけていた野球の指導者の道。縁もゆかりもない地だったが、「これが現場に戻れる最後のチャンスだと思った」と振り返る。

     山梨学院高のコーチ時代、ある強豪校の練習を見た。主力選手が、「重い荷物を後輩に持たせた」という理由で練習に参加させてもらえず、グラウンドの隅で泣いていた。その時「強くなるには、ここまで徹底しないとだめなんだ」と実感した。

     その一方、全寮制だった同校で選手たちと寝食を共にし、成長を目の当たりにした。子供たちから教わることも多く、誕生日に全員のサインボールをプレゼントしてくれるなどうれしいこともあった。「試合で本塁打を打つより人間的な成長が大切。大事な3年間を預かっているのだから、選手以上に勉強しなければ」と指導者としての心構えを肝に銘じた。

     チームに集まったのは、九州や関東、関西など県外からの17~26歳の20人。中には大学で11勝を挙げた有力投手もいる。全員が介護施設の職員として勤務しながら野球を続ける。それでも「施設の高齢者が試合を見に来てくれて、仲良しの職員が活躍していたら元気が出るはず」と相乗効果にも期待を寄せる。先行して中学生チームもスタートしており、「子供たちの目標になるようなチームになって、社会人になって、また戻ってきてくれれば」という思いもある。

     本来は細かく指導するタイプだが、1年目の今年は選手に任せて大胆に打たせていくつもり。「野球はチームメートとともに一つの目標に向かって頑張る。その中にいろんなストーリーがある」と大好きな野球に再び関われる喜びを感じている。

     厳しい戦いが待っているかもしれないが、「誰が見ても一生懸命やっていると必ず伝わるものがある。そして、いつの日かチームからプロ選手を輩出できたら最高」と笑顔を見せた。


     ■人物略歴

     1977年6月、山梨県生まれ。山梨学院高、日大、シダックスでプレーし、シダックス時代には都市対抗にも出場した。26歳で現役引退し、山梨学院高と日大で約10年間コーチを務める。バンディッツ・ベースボールクラブの本部は富山市南新町4の3。問い合わせはフールケア大地(076・461・6584)。

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