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『「亡命」の音楽文化誌』=エティエンヌ・バリリエ著

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 (アルテスパブリッシング・2592円)

 戦争と侵略、そして革命が欧州を蹂躙(じゅうりん)した19、20世紀、多くの音楽家たちが故郷を離れ、異国に居を定めた。例えば、ロシア軍に祖国ポーランドを占領されたショパンはパリに逃れ、ユダヤ人の父を持ち共産主義者だったアイスラーはナチスが政権を握ったドイツから米国に渡った。著者は、祖国を失った彼らの人生と作品をたどっていく。

 「幸せな故郷喪失者だった」リュリ、「祖国などどうでもよい」としながらも「生粋のゲルマニアっ子」と主張したヴァーグナー、白血病に倒れニューヨークで寂しく死んだバルトーク、「ここでは息ができません」と苦悩し、精神的抵抗をしながらもソ連にとどまったショスタコーヴィチ。一口に「亡命」といっても、その姿は複雑であることを知る。

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