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(講談社ブルーバックス・1080円)
フローレス原人発掘の興奮
ちょっと不思議なタイトルである。とりようによっては哲学的な問いに答えようとする書物か、とも思わされる。それがブルーバックスの一書だとしたら。そう言えば、装幀(そうてい)もいつものブルーバックスと少し違う印象を与える。
さて、この「我々」は、実は現生人類のこと、現生人類がこの世に出現するのが数十万年前とするなら、ちょうどその頃までは「ヒト」属は、何種類もの共存状態だったのに、現生人類(ホモ・サピエンス)の世代になると、種としては「孤独」になった。そこにはどのような事情があったのか、それを最新の知見を元にしながら、解き明かすのが本書ということになる。
著者は、作家としても知られるが、科学の素養が広く深い上に、本書は人類史の研究で世界的に知られる監修者海部氏との共同作業(発掘現場の検証など)と、海部氏の助言に基づいて書かれた珍しい書物でもある。
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