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漆黒を照らす

/56 ヤン・ヨンヒ監督の突破力 人生賭けて映画撮る /大阪

ヤン・ヨンヒ監督の次作は在日1世の母親の人生がテーマだ=南正学さん撮影

 進みたい道を理不尽な壁や境界に遮られることがある。それは法や制度、お金、国籍、性別だったり、組織の圧力や人間関係のしがらみだったりする。壁は往々にして、少数者、弱者に対して高く、境界線の溝は深い。越えるにはより多くのパワーが要る。

 大阪市出身の映画監督ヤン・ヨンヒさんのことを、私は「人生を賭けた越境人」と呼んでいる。壁を越え圧力をはねのけ、境界線をどんどんまたいでゆく彼女のパワーは圧倒的だ。

 ヤンさんは両親が韓国済州島出身の在日朝鮮人2世。本人いわく「バリバリの朝鮮総連系の家庭」で育ち、小学校から大学まで朝鮮学校に通った。進路にまで干渉する総連組織を出て、米国に渡ろうとするが査証がなかなか出ない。日本政府が「無国籍」扱いしている朝鮮籍だったためだ。この壁を何とか越えてニューヨークで映像を学んで日本に戻った後、北朝鮮に住む3人の兄家族のもとに通い、ドキュメンタリー映画「ディア・ピョンヤ…

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