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野村不動産社員の過労自殺

野党「過労死隠した」 厚労相やっと公表

 加藤勝信厚生労働相は10日の閣議後の記者会見で、裁量労働制を違法適用したとして特別指導した野村不動産の社員が過労死していたことを初めて認めた。裁量労働制の対象拡大を目指していた政府は、違法な企業を取り締まった事例として特別指導を公表していたが、社員の過労自殺が報道で明るみに出た後も過労死は認めていなかった。

     裁量労働制の対象拡大は、厚労省データに異常値があった問題を受けて働き方改革関連法案からは削除されたが、再び政府が導入を目指す可能性がある。野党は「過労死は隠し、特別指導で違法企業を取り締まったという都合のいい部分だけを公表したのでは」との疑念を深め、加藤氏の政治責任を追及している。

     加藤氏は会見で「野村不動産の社員が過労死し、新宿労働基準監督署が昨年12月26日に労災認定した」と説明した。認定日は、東京労働局が同社への特別指導を発表したのと同じ日だった。今月5日に東京労働局などに「公表に同意する」という趣旨のファクスがあり、送り主が社員の遺族と確認が取れたため、過労死を公表した。

     野村不動産への特別指導は、社員の過労死が端緒になったとみられている。10日の参院厚労委員会で野党は、特別指導までの経緯や過労死を知った時期などを追及したが、加藤氏は「個別の案件については答えられない」などと回答を拒んだ。社員は過労自殺しているが、厚労省は「遺族の同意部分を超えている」として自殺には触れなかった。

     厚労省は先月28日、加藤氏が昨年11~12月に特別指導についての報告を受けた際の資料を国会に提出している。大半が黒塗りで、野党は過労死についての記述があるのではないかと追及しているが、加藤氏は参院厚労委で「(黒塗り部分を)つまびらかにすることは、今後の監督指導に影響を及ぼす」として、明らかにするつもりはない考えを示した。

     一方、厚労省は10日の野党合同ヒアリングで、今回の過労死について加藤氏には「少なくとも昨年12月26日までは報告していない」と説明。安倍晋三首相には一切、報告していないという。【神足俊輔、市川明代】

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