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トランスジェンダー

映像作品続々 特異性でなく、個性として 「多様な生き方の周知に」

「恋とボルバキア」に出演した有馬美尋さん(中央)と父逸さん(右端)、母順子さん=大阪市内で、村瀬優子撮影

 生まれたときの性と自認する性が一致しないトランスジェンダーを扱った映画やテレビドラマが相次いで公開されている。ドキュメンタリー映画やNHKドラマのほか今年の米アカデミー賞の外国語映画賞を受賞した海外作もある。どの作品も特異な存在としてではなく等身大の姿を描く。出演した当事者らは「孤立しがちな本人や家族の支えに」と期待する。【村瀬優子】

     各地で順次公開中のドキュメンタリー映画「恋とボルバキア」(小野さやか監督)は、トランスジェンダーの当事者らを撮影。うち、大阪市の有馬美尋(本名・大起(ひろき))さん(37)は男性として育ったが今は女性として暮らす。20代には女性と結婚していた時期もあった。きゃしゃな体形だったこともあって女装に興味を持ち、次第に「女性としての自分は輝いている」と思うようになった。

     映画には宮崎県に住む有馬さんの父逸(いつ)さん(70)、母順子さん(70)も出演。父の目に有馬さんは「幼い頃から、男らしさを見せることが苦手」に見えた。約6年前に有馬さんから思いを打ち明けられ「私たちの子に変わりはない」と受け入れた。逸さんは「今の方が自信を持ち、輝いて生きている。同様の状況を不安に思う親に私たちの姿を知ってもらえたら」と語る。作品では両親が、化粧をする有馬さんをにこやかに見守る場面も。有馬さんは「ありのままに撮ってくれた。たくましく笑顔で生きていけば、自分も周囲も幸せになれると伝えたい」と語る。

    ドラマ「女子的生活」のワンシーン。俳優の志尊淳が女装してトランスジェンダーの主人公を演じた=NHK提供

     今年1月にはNHKが連続ドラマ「女子的生活」を放映(NHKオンデマンドで配信中)。男だが女装して暮らし、一方で恋愛対象は女性という主人公を俳優の志尊淳(しそんじゅん)さんが演じた。トランスジェンダーの西原さつきさん(31)が演技を指導、出演もした。西原さんは「放送を機に知人の性的少数者が10人以上、親に打ち明けた。影響は大きい」と語る。海外作では、トランスジェンダーの主人公を当事者の女優が演じ、今年3月の米アカデミー賞で外国語映画賞を受賞した「ナチュラルウーマン」(2017年、チリなど合作)が公開中。トランスジェンダーの主人公と家族を描く米映画「アバウト・レイ 16歳の決断」(15年)も公開中だ。

     自らもトランスジェンダーで、明治大学の非常勤講師(ジェンダー論)の三橋順子さん(62)は「社会の認知が進み、一つの個性として前向きに表現するようになった。これらの作品を通し、多様な生き方があることを知ってほしい」と語る。

     「恋とボルバキア」は京都市の出町座で13日まで、神戸市の元町映画館で5月26日から上映。

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