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交通弱者を考える

/4 高齢者の移動、地域で手助け /群馬

 高齢化と核家族化などで、独居高齢者世帯が増えている。県内では、2015年国勢調査によると、世帯主が65歳以上の世帯約29万世帯のうち約4分の1が独居高齢者世帯だ。足腰が弱り外出が大変。買い物や病院に行こうにも移動手段がない。かといって毎回家族に車を出してもらうのも申し訳ない--。そんな「移動弱者」をサポートする取り組みが各地で始まっている。

    渋川市社協とスーパー、買い物に相乗りタクシー

     高齢のため自力で買い物に行くのが困難な「買い物弱者」対策として、渋川市社会福祉協議会とスーパー「とりせん」が共同で、「相乗りタクシー事業」を3月から始めた。自宅からスーパーまで片道2キロ未満の場合、往復500円と格安で、利用者からは「遠くまで歩けないので、本当に便利」と好評。現在は2地区の高齢者が対象だが、今後3年以内に市内全地域に拡大することを目指す。

     事業の運営費は、利用者負担分と社協の介護事業の利益、スーパーからの協賛金でまかなっており、税金は投入していないのが特徴だ。

     市社協が発案し、昨年11月~今年1月に計7回試験運行をへて本格実施にこぎ着けた。3月から市中心部の豊秋地区で、4月から市南部の古巻地区で本格運行が始まった。

     対象は75歳以上で買い物に困っている市民。買い物は「とりせん」渋川店で行い、買い物時間は午後2~3時。運行は毎月2回でいずれも火曜日。

     相乗りは4人が上限で、利用者の希望に応じて運行ルートを調整する。

     利用料金は、片道2キロ未満500円▽2~2・5キロ未満600円▽それ以降は500メートルごとに100円追加(いずれも往復料金)。

     店舗の駐車場にタクシープール(待機場所)を設置し、店舗に向かうタクシーと、帰りのタクシーを別にしたことで、待機料金がかからず料金を抑えることができたという。

     豊秋地区の今成けい子さん(82)は数年前から脊柱管狭窄(せきちゅうかんきょうさく)症を患い、右足に痛みとしびれがある。昼間は働きに出ている長男と2人暮らしのため、思うように買い物に出かけられない。「タクシー代が安いうえに、重い荷物も買えて本当に助かります」と話していた。

     社協はこの事業に合わせ、利用者が月2回の買い物で不足する場合は、カタログ販売による宅配サービスを紹介する事業も3月から始めた。

     市社協の登坂将志・生活支援課長は「出かける機会の少ない高齢者になるべく外出してもらいたいという思いで始めた。高齢者同士の交流にも役立ち、孤立化防止にも役立てたい」と話している。

     問い合わせ・申し込みは渋川市社協生活支援課(0279・25・0500)へ。【吉田勝】

    山あいに期日前投票所 富岡

     交通手段を持たない高齢者にとって選挙の投票所が離れている場合、投票に行くのは簡単ではない。そこで、15日投開票の富岡市長選で12日、県内で初めて「移動期日前投票所」が実施された。

     「移動投票所」が開設されたのは山あいにある旧妙義町八木連地区。かつて地区内に投票所があったが、富岡市との合併に伴う投票所の統廃合の影響で2008年を最後になくなった。市選管によると、地域の有権者69人のうち半数以上が65歳以上の高齢者。現在の投票所(中央公民館)は直線距離で約4キロ離れ、高低差も大きい。

     移動投票所については、事前に広報誌やチラシなどで住民に知らせ、12日午後2時から2時間、地区内の集会所に開設された。

     この日は14人が投票した。投票所が開かれてすぐに歩いて訪れた山田くめさん(91)は「足が悪いから近くに投票所ができて良かった。中央公民館までは家族に送ってもらわないと行けないから助かりました」とほっとした様子で感想を語った。

     富岡市選管の担当者は「移動手段を持たない方の支援がこれからの課題。今回の結果を踏まえ、地方選挙、国政選挙を問わず、別の地域でも導入が広がれば」と話した。【西銘研志郎】=つづく

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