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共に生きる・トブロサルダ

大阪コリアンの目/215 /大阪

鄭生徒会長ら生徒会のメンバーが「しま・ルーム」に野菜を届けた。さっそく食材に使われた=大阪市中央区で、金光敏撮影

 ◆白頭学院の生徒が育てた無農薬野菜

    子ども食堂に届ける 学校の社会貢献のひとつに

     大阪市住吉区にある韓国系民族学校、学校法人白頭学院建国幼小中高校の李健鐘(イジョンゴン)校長から「クァンミンさん、子ども食堂と関わりありますか?」との連絡があった。「もちろん、ありますよ」と答える私に、折り入って相談があるという。それならばと、学校を訪ねた。

     李校長の相談内容はこうだ。白頭学院が兵庫県朝来郡に農園を持っていて、生徒たちが地元の方々と協力して野菜づくりに取り組んでいる。毎年、結構たくさんの収穫があるが、それを必ずしも活用しきれておらず、いい方法はないかと意見を出し合う中、「子ども食堂」に寄贈してはどうかというアイデアが出たというのだ。

     私はとても素晴らしい社会貢献だと賛同の気持ちを伝え、さっそく子ども食堂とつなぐ約束をした。すでに地元住吉区内の子ども食堂にはあたっていて、まだお裾分けするに充分な野菜があるからと私に相談してきたのだった。

     私と交流のある大阪市中央区の子ども食堂「しま☆ルーム」を紹介した。「しま☆ルーム」は昨年7月から始まり、毎週水曜日の夕食を、地域の子どもたちに提供してくれている。場所は島之内。私が火曜日に夜間教室「Minamiこども教室」に取り組む地域であることから、うちの子どもたちも多数お世話になっている。

     主宰者の福井潤一郎さんに声をかけると、「最近野菜が高くて困っているので、助かります」との返事。白頭学院の生徒たちに現場を見てもらうことも兼ねて、食堂開催日に野菜を届け、そこで伝達式をしようということになった。

     2月後半、生徒たちは収穫物を持って「しま☆ルーム」にやってきた。この日の野菜は大根、白菜など。また、「建国育ち」と銘打たれた生徒たちの手作りみそもあった。生徒らは完全無農薬の野菜であることを説明しながら、福井さんたちスタッフ、そして子どもたちに伝達した。

     高校の生徒会長を務める鄭賢浩(チョンヒョノ)さんは「自分たちが育てた野菜が子どもたちの大事な食事になるなんて、農作業のかいがあります。今後も持続的に交流できればと思います」と話した。福井さんは「若い人たちの思いを届けてくださって感謝です。安全な食材だということもうれしい。さっそく使わせていただきます」とお礼を述べた。

     学習の一環で菜園活動に取り組む学校は少なくない。公費で栽培したものであるため、収穫物は学内還元が望ましいが、野菜高騰などで経費がかさみ悩んでいる子ども食堂は多い。学校の取り組む社会貢献のひとつとして、地域の子ども食堂に一部収穫物を寄贈することは学内の体験意欲や学習効果にもつながるのではないか。高校や大学などが率先すれば、社会的関心もボランティアの輪も広がる。地域の子どもたちの居場所をもっと支えよう。<文と写真 金光敏>


     ■人物略歴

     1971年、大阪市生野区生まれ。在日コリアン3世。特定非営利活動法人・コリアNGOセンター事務局長。多文化共生、人権学習の教育コーディネーターを務め、さまざまな子どもたちを支援するソーシャルワークにも取り組む。

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