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人・ひろしま

マンション地下で酒造り 前例ない挑戦で銘柄守る「原本店」社長 原純さん /広島

「原本店」社長の原純さん=広島市中区白島九軒町で、寺岡俊撮影

原純(はら・じゅん)さん(58)=中区

 人気銘酒「蓬莱鶴(ほうらいつる)」の醸造元「原本店」は、中区白島九軒町の10階建てマンションの地下2階にある。閑静な住宅街の地下で、伝統の酒造りを守り続ける。

     1805年に創業した「原本店」は、200年以上の歴史を持つ老舗酒蔵だ。第二次世界大戦中は大本営に出荷するほど好調だったが、1945年8月6日の原爆投下により酒蔵は焼失。翌年に再建し醸造を続けるが、業界全体が下り坂になっていき、同社の売り上げも伸び悩んだ。1990年、先代の祖父が亡くなった。多額の相続税が発生し、「売り上げも落ちていたことから、マンションを建てて廃業する話が持ち上がった。ただ、祖母は店を続けると決めていた」と振り返る。

     当時、別の酒造会社で経験を積んでいた。知人からも「自分で造ってみたらどうだ」と背中を押された。「存続させるためにも、休業していた自家醸造を再開させないといけない」。マンションの地下に酒蔵を作ることを決意した。

     マンションに酒蔵を作る。全国でも前例のない挑戦に否定的な意見もあったが、「酒造りの環境を整える自信はあった」と語る。山岳用テントにも用いられている通気性のいいゴアテックス製の麹(こうじ)室など工夫を凝らした。地下は年間通して温度管理がしやすいため、四季を通じて酒造りに専念できるようにした。95年に、酒蔵が完成。マンションに酒蔵を作った初めての例となった。

     自家醸造を再開し、数年たったころから、醸造米、酵母など広島の素材にこだわるようになった。「広島で造るので、素材がなじむ」と話す。「日本酒は、香りと味、麹と酵母のハーモニーが大事。『おいしい』と言ってもらうだけでなく『もう1杯』と言ってもらえるような酒を造っていきたい」と笑顔を見せた。【寺岡俊】

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