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医師不足

偏在解消見えず 都市部でも深刻化

 医師不足が2028年まで続くとする推計を厚生労働省がまとめたが、都市と地方との間で起こる医師偏在に解消のめどは立っていない。労働時間を制限する「働き方改革」で都市部でも医師不足が深刻化していて、医療現場から推計に疑問の声が上がる。

     「医療体制は地域の存亡に直結する」。人口当たりの医師数がワースト2位の茨城県のある議員は危機感を募らせる。

     同県南東部の鹿行(ろっこう)地域は人口10万人当たりの医師数(16年)が95・7人で、全国平均251・7人(同)の4割以下。域内にある鹿島労災病院は災害拠点病院にも指定される地域医療の要だが、10年前に40人いた常勤医は12人まで減少。夜間は当直医の専門外だと救急患者を受け入れられないことも。来年4月には近隣の病院と統合する予定だ。県担当者は「医学部定員は地域の実情に合わせて見直すべきだ」と話す。

     人口当たりの医師数は「西高東低」と呼ばれ、医学部の多い西日本で多く、東日本は東京都を除き軒並み平均を下回る。ワースト1位は埼玉県、2位が茨城県で、東京への医師流出などが原因とみられる。医学部の入学定員に、卒後一定期間の地元勤務を義務付ける「地域枠」を設けるなど国も医師の偏在対策に努めているが、解消できていない。医師偏在は診療科間でも進む。この20年間で、麻酔科や放射線科の医師は6~8割程度増えたが、激務の外科医や産婦人科医は横ばい状態だ。

     聖路加国際病院(東京都)は16年6月に労働基準監督署の指導を受け、1カ月の残業時間を45時間に抑えるよう取り組んでいる。医師数を増やす必要があるが、激務の救急や産婦人科などは募集しても集まらないという。

     働き方改革も医師不足に拍車をかける。同病院は、夜勤や当直の医師数を減らし、土曜の外来診療は救急だけにした。時間外は患者家族に病状説明を断るなど、「患者へのサービスを絞らざるをえない」(同病院)。治療体制を維持したまま残業時間をゼロにするには、今の1・5倍は医師が必要という。今回の推計について、福井次矢院長はこう語った。「患者への影響を第一に考えておらず、非現実的だ」【酒井雅浩、熊谷豪】

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