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東京でソメイヨシノの花が散り始めて半月ほどたち、桜前線は東北に移りました。少し前には満開だったことがうそのように、東京の人々はソメイヨシノのことを忘れてしまったように見えます。あらゆるソメイヨシノの木の下で花見に興ずる人々は、どこへ行ってしまったのでしょうか。
どの通勤電車からでもソメイヨシノの花見を楽しめるほどソメイヨシノがブームになったのは明治時代以降ですが、ソメイヨシノの人気は近年のスマートフォンの普及に似ている気がします。スマートフォンを使うことを選んできたのが私たち一人一人であるように、ソメイヨシノがあちらこちらに植えられているのは、それを植えた先人たち一人一人のおかげです。
実はスマートフォンと同様にソメイヨシノにもメンテナンスが必要です。ソメイヨシノは元々日本に自生しない園芸品種なので、鉢植えの花と同じように手入れをした方がいいのです。観光資源になっている名所の桜は自治体などが費用をかけて美しさを保っていますが、それはごく一部。あまり手入れをされてこなかったソメイヨシノは、残念ながら見ればすぐに分かってしまいます。そもそもソメイヨシノは自然に育つものだと思っている…
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