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くらしナビ・気象・防災

「シェイクアウト」で地震訓練

一斉に机の下にもぐる児童たち=京都市左京区の同市立岩倉北小学校で

 地震が起きた時、どうやって身を守るのか。「まず低く」「頭を守り」「動かない」という3段階の行動を身につけるのが、米国発の防災訓練「シェイクアウト(ShakeOut)」だ。普及させる取り組みは、阪神大震災(1995年)以降、大きな震災のない関西でも広がり、専門家は「誰でも短時間でできるシェイクアウトで、身を守る振る舞いを習慣づけることが大切だ」と話している。

     ●1分間じっとする

     報知音と共に「緊急地震速報です」とのアナウンスが響いた。3月9日午前9時半、京都市左京区の市立岩倉北小学校。6年生の教室では、児童たちが一斉に机の下に身を隠した。「しっかり頭を隠して」と教員が呼びかける。児童たちは揺れが収まる想定で1分間ほどじっと身をかがめた。

     シェイクアウトは「地震を吹き飛ばせ」という意味の造語。米国で2008年から防災知識の普及のために始まった。

     一般的な防災訓練は、会場や機材準備など相当な手間を要するが、シェイクアウトは通学先や勤務場所でのシンプルな訓練のため、誰でも参加しやすく、「自助」「共助」の意識を向上させる効果も期待されている。

     京都市は13年から毎年続け、今年も東日本大震災から7年が経過するのを前に、事前告知したうえで、市内一斉にシェイクアウトを実施した。

     市からは、主に携帯電話用に訓練の緊急速報メールも送信しており、この日は学校や企業、観光施設を中心に約13万人が参加した。

     ●抜き打ちが効果的

     シェイクアウトによって身につける「3段階の行動」は、(1)揺れが起きたら、まず姿勢を低く保つ(2)机の下などで自分の頭部を保護する(3)揺れが収まるまで動かない--。

     市防災危機管理室は「地震の怖さは揺れ自体ではなく、家具の転倒やガラスの飛散、落下物などで負傷すること」として、シェイクアウトを「だれでも気軽にできる1分間の訓練」と推奨している。

     ただ、同時に家具の転倒防止や非常食・飲料水の備蓄、地震発生時の連絡体制や火災警報機の作動の確認など、事前の防災対応にも十分心がけるよう呼び掛けている。

     岩倉北小6年(当時)の安永彩乃さんは「熊本地震(16年4月)後の夏、熊本市の祖父母の家で地震に遭い、祖父母がすぐに机の下に隠れていた。実際の地震で落ち着いて動くことが大切だと思う。そのためにも真剣に訓練できた」と話した。

     「シェイクアウトは命を守る、防災を考えるためのスタートライン」。日本シェイクアウト提唱会議で世話人を務める木村玲欧・兵庫県立大准教授(防災教育学)が説明する。シェイクアウトでは、3段階の行動を重視している。ただ、身を隠せる机などが、常に自分の身近にあるとは限らない。このため、木村准教授は「場所や場面によって、どうすれば命を守れるのかを考えることが大切。抜き打ちにすれば、そうした判断力が更に養われる」と話す。

     ●緊急速報190回

     気象庁が発表する緊急地震速報の一般提供は07年から始まった。NHKのテレビなどで流され、このうち、震度5弱以上の地震を予測したものは昨年末までに190回を数えた。しかし、対象地域は、11年に震災が発生した東日本や九州に偏在している。

     木村准教授は「南海トラフ地震、首都直下地震など、各地で被害は予想されている。地震は我がことと考え、緊急地震速報があった時に素早く動けるよう、シェイクアウトなどで意識を高めていくことが重要だ」と呼びかけている。【宮本翔平】

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