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強制不妊手術

診察なく「精神病」 提訴予定 札幌76歳

手術を受けた当時のことを話す小島喜久夫さん=札幌市で2018年4月11日、貝塚太一撮影

 旧優生保護法(1948~96年)に基づく不妊手術を強制されたとして、国への損害賠償を求めて札幌地裁に提訴予定の札幌市の70代男性が、毎日新聞の取材に応じ、「言い出せずにいる人たちが声を上げるきっかけになれば」と実名での報道を望んだ。同法が手術対象とした精神疾患や障害はなかったと語り、「なぜ手術されないといけなかったのか」と問う。

 小島喜久夫さん(76)。強制手術をめぐり国を相手に提訴したか提訴する予定の当事者のうち、実名で取材に応じたのは初めて。

 小島さんは生後まもなく養父母に預けられた。だが、そうした生育環境から差別を受けるようになり、生活が荒れていた10代後半、精神科に入院させられ、当時の病名だった「精神分裂病」を理由に精管付近の手術を強制されたという。

 北海道では当時、生活上のトラブルや犯罪行動のある人にも、精神疾患を理由に不妊手術を行う必要性を訴えていた。

 しかし、小島さんは「一度も診察されたことはない」と証言。「手術の内容も説明されず、麻酔が十分効かないままメスを入れられ、すさまじい痛みだった」と振り返った。手術後も反抗的な態度を取ると頭に電気ショックを与えられ、このままでは死ぬと病院から逃走。自動車の2種免許を取得してタクシー運転手の仕事に就いた。今もたびたび腹部の痛みに苦しむ。

 長年連れ添ってきた妻も取材に「夫に精神疾患はありません」と言い切る。今年1月、宮城県の60代女性が仙台地裁に提訴したことを知り、手術されたことを妻に初めて打ち明けた。「過去におたふく風邪を引いたから(子どもができない)と妻にウソをついていた。つらかった。生きているうちに国の謝罪を見届けたい」と語った。【安達恒太郎】

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