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旧優生保護法を問う

旧優生保護法下で不妊手術を強制された障害者らの記録に関する毎日新聞の全国調査で、強制手術を受けた人の約8割に当たる1万2879人の資料が確認できなくなっていることが判明した。「記録のない被害者」をどう特定し、救済につなげるか。

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強制不妊

10代で手術「誰にも言えなかった」苦悩と痛み

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旧優生保護法下で強制不妊手術を受けた小島喜久夫さん。最近、妻(右)に打ち明けた=札幌市西区で2018年4月11日、貝塚太一撮影
旧優生保護法下で強制不妊手術を受けた小島喜久夫さん。最近、妻(右)に打ち明けた=札幌市西区で2018年4月11日、貝塚太一撮影

 「不妊手術されたなんて、誰にも言えなかった」。10代後半で強制不妊手術を受けたという札幌市の小島喜久夫さん(76)が語り始めた。若いころに受けた差別、子どもをつくれなくなった悔しさ、妻に隠し通したつらさ、今も続く腹部の痛み--幾重にも苦しんだ人生を振り返った。【安達恒太郎】

周囲から差別

 50年以上たっても、忘れられない言葉がある。10代後半で精神科に強制入院させられ、「優生手術をする」と聞き慣れない言葉を口にした看護師に聞き返したときのことだ。「あんたたちみたいなのが子どもを作ったら大変だから」。院内には同年代の若者らがいた。同じ不妊手術を強制されたとみられる「あんたたち」だった。

 小島さんは生後まもなく、北海道石狩町(石狩市)の農家に引き取られた。子どもがいなかった養父母との関係は、弟たちが生まれると冷え込んだ。周囲から「もらい子」などと差別を受けたこともあった。中学卒業後、印刷会社に就職したが、幼い頃の体験から世の中に不信を抱くようになり、生活は荒れ、けんかすることもしばしばだった。

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