連載

eye

社会や政治、スポーツなど国内外の動きを、写真のレンズを通して見つめます。

連載一覧

eye

傷抱え、この街で生きる ISの爪痕残るモスル イラク

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷
銃弾の痕が残る壁近くで遊ぶ子供たち。特に破壊が目立つモスル西部では、日常の風景の大部分を建物の解体やがれきの撤去が占める。壁にはクレーンのレンタルとその連絡先が書かれていた=イラク・モスルで2018年3月
銃弾の痕が残る壁近くで遊ぶ子供たち。特に破壊が目立つモスル西部では、日常の風景の大部分を建物の解体やがれきの撤去が占める。壁にはクレーンのレンタルとその連絡先が書かれていた=イラク・モスルで2018年3月

 3年にわたり過激派組織「イスラム国」(IS)による占領が続いた、イラク第2の都市モスル。乾いた大地に並ぶ褐色の家々には、銃撃や空爆にさらされた破壊の爪痕が目立つ。この街がイラク軍により奪還された直後の昨年7月に取材した家族を、再び訪ねた。

 アヌアールさん(43)はISからの奪還作戦のさなか、脱出の機を逸し、最後まで街に取り残されていた人々の一人だった。ISだけではなく、彼らに対抗する民兵たちをも恐れたからだ。

 「飢えるか、殺されるかしか、私たちには選択肢がなかった」と当時を振り返る。外気が50度近くにもなる中、水も食料も底を突き、4歳だった息子が衰弱し亡くなった。キャンプでの避難生活後、今は爆撃で砕かれてしまった壁を修復し、辛うじて生活を送っている。「心配は電気や水の不足だけではありません。誰しもが今、恐怖を忘れられず生きているんです。隣人だと思った人々が突然、ISとして黒服を着て現れたのですから」

この記事は有料記事です。

残り544文字(全文950文字)

ご登録から1カ月間は100円

※料金は税別です

あわせて読みたい

注目の特集