
明治維新から150年。武家社会の象徴だった「江戸」は「東京」と名を変え、国際都市として発展していった。震災や戦災を経て「江戸」の姿は薄れていったが、2年後の東京五輪・パラリンピックに向けて「城下町・江戸」の魅力を見直そうという動きが広がっている。東京の中に残る「江戸」の魅力とは?【聞き手・森忠彦】
日本橋、空取り戻す 細田安兵衛・榮太樓總本鋪相談役
日本橋の上に首都高速道路ができたのは1964年の前回東京五輪の前年(63年)だった。当時、高架の高速道路は存在せず、誰も実物を見たこともなかった。「羽田(空港)まで10分で行けるらしい」という夢のような話だった。ところが、橋脚ができ、その上に一晩で橋桁がかかったのを見て驚いた。「なんだ、こんなに(高さが)低いものなのか。これじゃあ、空が見えねえじゃないか」
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