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地方はいま/1 愛知県・旧富山村 閉校、子供の声消え 「若い世代住めない」

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山村留学生の寮で飼われたロバを世話する西井浩隆さん。奥に見える旧小中学校は60年前、住民が寄付を出し合って建設した地元の「希望」だった=愛知県豊根村富山地区で3月
山村留学生の寮で飼われたロバを世話する西井浩隆さん。奥に見える旧小中学校は60年前、住民が寄付を出し合って建設した地元の「希望」だった=愛知県豊根村富山地区で3月

 静岡と愛知の県境を流れる天竜川に築かれた佐久間ダムの岸に、木造民家の集落が点在する。標高1000メートル級の険しい山々を縫う県道を、時折、地元住民の車がゆっくりと走る。離島を除き全国最少人口の「ミニ村」として知られた愛知県の旧富山(とみやま)村。平成の大合併で2005年に豊根村に編入され、208人いた人口は今年3月末、76人にまで減った。

 「僕ら引っ越します」。宿泊施設などを運営する一般社団法人「とみやまの里」に勤めていた西井浩隆さん(36)は昨夏、法人代表理事の山下喜代治さん(66)に転出を申し出た。妻の明奈さん(38)は長女(3)を保育園に預け、働くことを希望していた。6年前に休園した保育園の再開も提案されたが、地区に他の未就学児はいない。仮に再開されても、地元の小中学校は15年に閉校しており、やがては峠を越え、車や電車で片道…

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