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磯田道史・評 『熊本城の被災修復と細川忠利 -近世初期の居城普請・公儀普請・地方普請-』=後藤典子・著

 (熊日新書・1080円)

 城は地震の記憶装置である。地震で揺すられると、城の石垣は崩れ、ゆがむ。それを調べると、過去の地震の実態に迫れる。また石垣や建物が壊れると、修復がなされる。そうすると、古文書に記録され、一層、昔の地震のことがよくわかる。ちょうど2年前、2016年4月14日と16日に、熊本で大地震が起きたのは記憶に新しい。それまでは、熊本は地震の心配が少ない土地だと思われていた。しかし、熊本城が地震でやられてから、熊本藩細川家の永青文庫や松井文庫所蔵の古文書をもとに、過去の地震を調べなおす研究がおこなわれた。本書はその成果である。

 研究がなされてみると、江戸初期は、熊本は地震が少ないどころか、1625年の地震被害で、城がボロボロになっていたことがわかった。加藤清正の子孫に代わって、地震の7年後に熊本城に入城した細川忠利は「江戸城のほかに、これほど広いのを見たことがない」と、熊本城の立派さに驚く。ところが、この城は、塀は崩れ落ち、随所に穴があき、屋根は雨漏りがしていた。加藤氏は、城のメンテナンスができていなかったのである。「…

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