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レオンスカヤのシューベルト・ツィクルス 古典的美を守る静かな主張=評・大木正純

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 「東京・春・音楽祭」の今年の注目イヴェントのひとつに、トビリシ生まれの大家、エリーザベト・レオンスカヤによるシューベルト・ツィクルスがある。18曲のピアノソナタの全曲(および「さすらい人幻想曲」)を6回に分けて弾くという、壮大な連続演奏会である。その第3日を聴いた。曲目はソナタ第2番ハ長調、第13番イ長調、第16番イ短調の3曲。

 このうち第2番はハイティーン時代の初々しい作品だが、冒頭でいきなり、さすがレオンスカヤと感服するシーンに遭遇した。ダイナミックな第1主題は、通常はいかにも背伸びをする少年作曲家の、意気盛んだがどこかおぼつかなくもある素顔を彷彿(ほうふつ)させるもの。それがレオンスカヤの手にかかると、もはや目標たるベートーヴェンをしかと射程に捉えた、雄渾(ゆうこん)な楽想に聞こえるのだ。演奏が作品を超えている、と…

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