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我らが少女A

/252 第7章 13=高村薫 田中和枝・挿画監修

 浅井隆夫は半月毎(ごと)の入院費の支払いに深大寺の吉祥寺病院を訪ねたついでに、開放病棟に入ったままの妻弘子に会っている。入院当初に処方されていたスルピリドやパキシルなどの一般的な抗うつ薬が効かず、素人目にも日に日に秋が深まってゆくような薄昏(うすぐら)さだと思っていたら、いつの間にか薬の名前が変わっていて、いまはルボックスだのジプレキサだの。否、正確には担当医からその都度受けていた説明が、浅井の頭にほとんど入っていなかっただけのことではある。

 入院して環境の変わったことが病状悪化の引き金になることもありますから。そう言う担当医は、入院時には…

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